「脂肪吸引」してもリバウンドするってホント? メリット・デメリットを医師が解説!
脂肪吸引のメリット・デメリット
編集部: 脂肪吸引のメリットを教えてください。 澤口先生: 「短期間で確実な効果が得られること」が、最大のメリットと言えるでしょう。脂肪吸引の場合、たった一度の施術で脂肪を確実に取り除くことができますから、長期にわたって厳しい食事制限をするといった苦しい思いをせずに済みます。 編集部: ほかにも、メリットはありますか? 澤口先生: 脂肪吸引は体の特定の部位にアプローチし、脂肪を減らすことができます。そのため、例えば二の腕などの自力ではなかなか痩せられない部位に対して、部分痩せの効果が期待できます。 編集部: 反対に、脂肪吸引のデメリットはありますか? 澤口先生: まず、「治療費用が高額になりがち」ということが挙げられます。医療機関や部位によって金額は異なりますが、のちのちトラブルにならないよう、事前のカウンセリングで必ず総額を確認しておきましょう。 編集部: そのほかにもデメリットはありますか? 澤口先生: 「施術経験の浅い医師がおこなうと皮膚がボコボコになる可能性がある」「傷跡が目立つかもしれない」「ダウンタイムがある」などもデメリットとして挙げられます。また、「ボディラインが不自然になってしまった」「取りムラや取り残しができてしまった」「脂肪を吸引しすぎて色素沈着が起きてしまった」という声を聞くこともあります。
脂肪吸引で失敗しないために気をつけるべきこと
編集部: 全身の脂肪吸引をおこないたい場合、どうしたらいいのですか? 澤口先生: 通常、脂肪吸引は上半身と下半身に分けておこないます。もし、全身から脂肪を吸引したい場合は2日間に分けます。 編集部: 脂肪吸引を受ける際、失敗しないために気をつけるべきポイントを教えてください。 澤口先生: まずは、事前に入念なカウンセリングを実施する医療機関を選ぶことが重要です。脂肪吸引で吸引できるのは皮下脂肪であり、内臓脂肪ではありません。そのため、「自分は脂肪吸引の対象なのか?」を見定めてもらうことが大切です。また、自然なボディラインに仕上がるよう、人体の構造やボディメイクにも理解がある医師を選びましょう。 編集部: 施術後のダウンタイムでは、どのような症状がみられますか? 澤口先生: 施術した部位によっても異なりますが、痛み、腫れ、むくみ、内出血などが生じます。ダウンタイムのピークは施術後2~3日で、1週間程度で内出血が落ち着いてきます。また、施術後3~6カ月はむくみやすくなっているので、その期間は定期的に医師の診察を受けることをおすすめします。 編集部: そのほか、脂肪吸引を受ける上での注意点はありますか? 澤口先生: 脂肪吸引はリバウンドしにくいとはいえ、以前のような暴飲暴食をしていたらあっという間に脂肪細胞が肥大化し、肥満になってしまいます。脂肪吸引をおこなった部位は脂肪細胞が少ないため、ほかの部位と比べて太りにくいのですが、その代わりに脂肪細胞が肥大化して、不自然な体型になってしまうかもしれません。リバウンドには気をつけるようにしましょう。 編集部: 「二度と太らなくなるという魔法の施術ではない」ということですね。 澤口先生: そうです。なかには「太ったら、また脂肪吸引をすればいい」と考える人もいますが、そうすると内臓脂肪がどんどん増えてお腹周りが異常に目立つ体型になることがあります。また、もともと脂肪が少なく脂肪吸引には適さない部位もあるため、そこに脂肪がつけば不恰好な体型になってしまうかもしれません。そのため、脂肪吸引を受けた後も体重管理をおこなうようにしましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 澤口先生: 「顔から脂肪を吸引するだけだから簡単」と説明する医療機関もあると聞きますが、脂肪を吸引する際はどの部位に対しても等しいリスクがあります。経験豊富で丁寧にカウンセリングをおこなってくれる医師を選ぶことが大切です。万が一失敗した場合、修正のための再手術を考える人もいると思いますが、一度目の手術より、二度目や三度目の方が、はるかに難易度が上がります。そのため、「絶対に一度目の手術で成功させる」という強い決意を持って、慎重に医療機関を選びましょう。