実写化で話題の “オトサツ” 激化する「不倫」ジャンル、webtoonのドラマ化がマンガの未来を作る
現在テレビ東京系ドラマチューズ!で放送されている『夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2』。昨年のSeason1に続き、続編の放送が1月からスタートしており、SNSをザワつかせている。タイトル通り、正統派の復讐もので、原作はLINEマンガで先行配信中の同名webtoon作品。マンガ編集を担当する株式会社CLLENN GS編集部 部長・五十嵐悠氏に、ヒットの要因とマンガならではのこだわりを聞いた。 【漫画】クズ旦那を社会的に抹殺する方法とは? 暴力、モラハラ、性暴力に耐える妻の復讐劇
■“webtoonのドラマ化”としてヒットしたことに意義がある
夫の大輔からDVやモラハラ等を受けてきた主人公の奥田茜が、謎の手紙の指示に従い大輔を社会的に制裁する中で、自他と対峙し人生を見つめ直す姿を描く社会派サスペンス。「不倫」「復讐」という人気のジャンルとタイトルで、配信時からSNSを中心に話題を集め、実写ドラマ化が決定した。 ――ドラマもSeason2の放送もスタートしていて話題を集めていますが、マンガの企画制作はどのように進められましたか? 【五十嵐悠氏】本作は複数のライターさんによるチームライティング制を実験的に行なう過程で生まれました。週次でお題を出し、そのお題に合ったアイディアを10以上出してもらう。その様な過程で生まれた企画をメインライターとして執筆いただいたのが、三田たたみさんになります。 ――五十嵐さんは紙媒体でのマンガ編集を経て、現在はwebtoon、横読み両方のマンガ事業のクリエイティブの責任者を務められています。これまでの経験を踏まえて、日本のマンガシーンの傾向をどう見ていますか? 【五十嵐悠氏】現在のマンガシーンは、出版社以外の新たなプレイヤーの参入が多くなっています。これまでにもwebマンガが生まれたことによる「表現媒体の増加」、マンガアプリの台頭による「IT企業の参入」などがありましたが、webtoonへの参入はそれらの時期と比類しないぐらい大きなものになっていました。これにより、これまでとは異なるマンガの作り方が、特にマーケティングの領域で起きている印象です。 ――『夫を社会的に抹殺する5つの方法』は連載開始から実写化までの期間がかなり速かったように感じます。ドラマ化の構想というのは当初からあったのでしょうか。 【五十嵐悠氏】企画段階から映像化のプロジェクトを進行していました。テレビ東京さんとの会話を重ねて、連載スタートしてから直ぐのタイミングでドラマが放映開始しました。素晴らしいクオリティで、原作・作画の先生をはじめとしたwebtoon制作チーム一同とても満足した内容となりました。本作のヒットは、“webtoonのドラマ化”としてヒットしたことに意義があると思っています。 ――というと? 【五十嵐悠氏】本作は弊社の中でも最初のヒットであり、ドラマ化はヒット要因の中の大きなピースだったと考えています。しかしながらwebtoonにおけるヒットはプラットフォームのユーザーとの相性が一番大切であり、本作がヒットしたのはLINEマンガでの本格連載が一番のきっかけとなっております。webtoonの配信スタート→ドラマの放映→LINEマンガでの配信、という一連の流れが“webtoonのヒット”のモデルケースになったことが重要と考えています。