黒塗り調査票「異常な事態隠したかったのでは」 福井県高浜町元助役から県職員が金品受領…オンブズ福井が分析結果を公表
関西電力役員らに多額の金品を渡していた福井県高浜町元助役の森山栄治氏(故人)から福井県職員が金品を受け取っていた問題で、市民オンブズマン福井は5月30日、大部分が開示された県職員らへの調査票の分析結果を公表した。資料が当初ほぼ黒塗りだったことについて、威圧的な言動を取る森山氏に最大限の配慮が必要な雰囲気が県庁内にあったと分析し、「県はこの異常な事態を隠したかったのだろう」と述べた。 【写真】大部分が黒塗りだった調査票… 調査票は職員や退職者計313人分あり、▽調査対象者の氏名▽元助役との関係・接点▽金品授受などの有無▽県行政への影響(元助役からの県施策への要請)-などの項目があった。 同オンブズは分析結果として、森山氏に威圧的、高圧的な面があり、人権政策に大きな影響力を持っていたと指摘。人権問題に関する研修会を行う際には県職員が森山氏の元に出向き「お伺いを立てる」などの配慮があったとした。 【金品受領調査票の開示問題】福井県の調査委員会が2019年11月、高浜町元助役の故森山栄治氏から県職員が金品や贈答品を受け取っていたとする報告書を公表。市民オンブズマン福井は報告書の根拠となる調査票の開示を請求したが、県は一部を不開示としたため、不開示取り消しを求めて提訴。22年9月の福井地裁判決は同オンブズの請求を全面的に認め、23年11月の控訴審でも名古屋高裁金沢支部は地裁判決を支持、県側の控訴を棄却した。県は上告せず、判決は確定した。
福井新聞社