発売前の『ドラクエ4』キャラが出演してた！

主人公の「アベル」はさらわれた幼なじみ「ティアラ」を救うため旅立つ　画像は『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』DVD Vol.8（イーネット・フロンティア）

　1989年12月より、TVアニメ『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』（※放送時は『ドラゴンクエスト』とのみ表記、以下、アベル伝説）が放送されました。1988年に『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が発売され、世間は「ドラクエブーム」の真っ只中でした。『アベル伝説』も、「ドラクエ」好きな子供たちが夢中で観ていたアニメです。 【画像】え、デイジィ似合いすぎた…！　こちらがアニメでは着用シーン（妄想）も見られる「アブない水着」です（4枚） 　さらに、1990年2月には『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の発売が控えており、『アベル伝説』は、新作のプロモーションという位置づけでもあったのかもしれません。作中には、『ドラクエ4』のキャラクターがゲスト出演する場面がありました。 　第21話では、「かわきのつぼ」を求めて主人公の「アベル」たちが訪れた「闇のバザール」に、白髪で水晶玉を持った意味ありげな老婆が登場します。次の第22話で、アベルの目的を聞いた老婆が呪文を唱えると、水晶玉には廃墟の街「ドムドーラ」が映し出されます。老婆は、年齢を感じさせない軽やかさでくるくると回り「私が案内しちゃいますっ」といい、アベルの旅に同行することになります。 　砂漠を越えてたどりついたドムドーラで、街を廃墟にした「悪魔の騎士」がアベルたちに襲い掛かります。悪魔の騎士を倒すとかわきのつぼが現れ、老婆が手にすると、彼女に異変が起こります。旅のさなか、言葉遣いや仕草に違和感があった老婆は、実は呪いをかけられた、若く美しい女性「ミネア」だったのです。さらに、閉じ込められていた姉の「マーニャ」も救い出されます。 　ミネアは、アベルに「レッドオーブ」を渡します。また、ほかの男性メンバーの「モコモコ」や「ヤナック」と違い、老婆の姿でも親切にしていたアベルに恋心を抱いている描写もなされました。 　本編で重要な役割を果たしたミネアと、姉のマーニャのほかにも、「名前とセリフなし」で『ドラクエ4』のキャラクターが出演していました。第21話で、バザーで売られている「アブない水着」を見つけたヤナックが、女剣士「デイジィ」に着せたいと疾走する最中に、チラリと「トルネコ」の姿が映ります。 　また、第41話で「大魔王バラモス」との決戦のさなか、村の人びとをドラゴンの炎が襲います。逃げ惑う群衆のなかに、「アリーナ」と、「クリフト」らしき人物が描かれました。いずれも、普通に視聴していると見逃してしまうほどのごくわずかな登場でしたが、「ドラクエ」ファンにはうれしい演出でした。