塩谷立元文部科学相 離党勧告処分に反発「事実誤認が基になった判断。甚だ心外」再審請求検討へ
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で離党勧告処分を受けた塩谷立元文部科学相(74)が5日、国会内で記者会見し、処分に対する再審査請求の是非を検討すると述べた。会見では「処分は事実誤認が基となった判断」と憤慨。岸田文雄首相(66)の処分が見送られたことに「公平に処分をしてほしい」などと不満を炸裂(さくれつ)させ、「安倍派5人衆」の処分にバラつきがあったことには「(処分を下した人の)恣意(しい)的なところもあったと思いますが…」と、きな臭い本音ものぞかせた。 大量処分決定の大ナタから一夜。安倍派座長を務めた重鎮・塩谷氏の隠しきれない怒りが眼鏡の奥からにじみ出た。今回の処分について「事実誤認が基になった判断。甚だ心外」と反発。「地元の支持者らと話して、13日までに再審請求するか検討する」と表明した。 さらに「党規委員会で決まる前に、執行部で決めていた。明確なプロセスでやってほしい」と党上層部への不満を爆発。安倍派座長としての立場が“重罪”につながったことには「意思決定する立場になかった」と無実を強調した。 自民党は4日の党紀委員会で、裏金事件に関わった議員ら39人の処分を決定。安倍派の衆参トップだった塩谷氏、世耕弘成氏を、8段階のうち「除名」に次ぐ2番目に重い「離党勧告」に。高木毅前国対委員長は3番目の「党員資格の停止」6か月、萩生田光一前政調会長と松野博一前官房長官が6番目の「党の役職停止」1年。安倍派5人衆で処分の軽重にバラつきが出た。また、首相本人は処分対象に含まなかった。 塩谷氏は、報道陣からの「5人衆の中で秋の総裁選を踏まえた(岸田首相の取り込みのため)甘い処分だった人もいるのでは?」との質問に「当然ある程度、恣意的なところもあったと思いますが…」と忖度(そんたく)の存在を示唆。首相に対しては「処分の対象として、どうして外れたのかという思いはある」とし「公平に処分をしてほしい、ということですね」と文句ブーブーだ。 さらに、怒りの矛先が本筋から外れる一幕も。首相に対し「ひと言あるかなと思っていた。言葉があれば『はい、分かりました』ってなっていたかも」と、冷淡な態度がつむじを曲げた一因とも告白した。 ただ、茂木敏充幹事長は4日に、離党勧告に従わない場合、さらなる厳罰(除名)を示唆。さすがに塩谷氏も再審請求が認められなかった場合については「離党勧告に応じることになると思いますけどね」と、しょんぼり。不満を持つ処分議員との連携については「今のところ考えていません」とした。(樋口 智城)
報知新聞社