プレミア最速選手チドジー・オグベネ。秘訣は「90%の力で走ること」
「脳が全力を求め過ぎないから、そのほうが速い」
今でもたまに映像を見返すことがあるという。「ボルトが大好きだった。彼の走り方や力学がね。僕は彼のように身長が195cmもないので、ああやって体を伸すことはできない。でも彼の走り方が好きなんだ。まるでピストンのようだからね」 オグベネが気をつけているのは全力で走らないこと。「スプリンターは、100%ではなく90~95%の力で走るように指導を受けるんだ。100%だと体にストレスをかけ過ぎる。“90%ルール”と呼ばれていることなんだ。90%の力なら『脳に90%しか求めていないよ。リラックスしているよ』と伝えることがきる。脳が全力を求め過ぎないので、結局はそっちの方が速いのさ」 オグベネの「時速36.93㎞」というのは単純計算すると、100mを「9.75秒」で走ることになるが、あくまで最高速度のため、実際には9秒台のタイムは出ない。ボルトの100m走での最高速度は「時速45km」に迫るそうだ。それでも芝生の上でボールを追いかけ、相手選手もいる中でこれだけのスピードを出すのだから、オグベネの走るテクニックは一見の価値がある。 昨シーズンのプレミア最速スピードは、マンチェスター・シティのDFカイル・ウォーカーが記録した「時速37.31km」だ。まずは、この記録更新を目指すことになる。