「空想」の出土品ずらり 琉大付属中生、先人の生活に思いはせ制作 25日まで県立埋蔵文化財センターで展示 沖縄
西原町の琉球大学付属中学校の3年生は3日から、架空の埋蔵文化財を紹介するユニークな展示会「私の空想出土品」を同町の県立埋蔵文化財センターで実施している。25日までで入場無料。「空想」としているが単純な思い付きではなく、生徒らが沖縄の歴史や実際の出土品などについて学びながら「もしかしたらこういう出土品が出るかもしれない」という根拠を立てて、想像力を働かせながら作品を仕上げた。 国の史跡と合体!北谷町立博物館が開館 「伊礼原遺跡」の縄文土器など展示 沖縄
展示品には貝を使った付け爪やフライパンのような土器、オカリナ風の楽器、ハンガー式の土器、サイコロなど独自の発想で作った作品が並ぶ。付け爪の説明書きでは「貝塚時代当時、貝は狩猟具や工具などさまざまな用途で使われ、腕輪やネックレスなどの装飾品も多く出土している」として、当時の人もおしゃれで付け爪を使っていたのではないか、などと推測している。 生徒らは6月から作品作りに取り組んだ。沖縄の歴史を学んだり、埋蔵文化センターの職員を招いた出前授業を受けたり、実際に同センターを訪ねて県内の出土品を見たりするなどして、作品の構想を練った。夏休み明けから制作に取りかかり、それぞれ思い思いの作品を仕上げた。 3年生全員が作品を制作し、総数は約150点に上った。埋蔵文化財センターには約50点を展示しており、残りは写真で紹介している。展示品にも空想の説明文を付け、出土品名や時代、出土した場所、道具の機能の説明などを添えている。
生徒の一人は実際の出土品を見たり、出前授業を受けたりして感じた刺激から発想して形にした。「制作を通じて昔の人の生活を想像すると、今では考えつかないくらい大変だったのだろうと感じた」と当時の人たちの苦労に思いをはせた。 指導した大川晃教諭は「生徒らが作成した空想の作品を見に来てほしい。学校と地域の博物館の連携した取り組みが広がると、より良いと感じる」と話した。 (外間愛也)
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