温暖化で“天然マダイ”が年中獲れるように!?島自慢の魚を全国へ!苦境つづく漁師まちの生き残りをかけた挑戦
愛媛県今治市沖の大島で、自慢の島の魚を売り込もうと奮闘する人たちがいます。愛媛で、全国で、食べてもらいたい!漁師まちの生き残りをかけた挑戦に、チューモク!です。 【動画】鯛が年中獲れる!地球温暖化で変わる海<NEWS CH.4> 千年松 料理統括 上野淳さん: 「宮窪町のタイになります」 この日水揚げされた、天然マダイ。 千年松 矢野真弓女将: 「お子様の100日のお祝いでおめでたいお席でございます」 今治市の大島周辺で獲れる魚介をふんだんに使った料理が人気のこちらの旅館。島の魚料理を求めて、関東や関西からのリピーターも多いといいます。 上野さん: 「エビがエサの主流、それをたくさん食べているタイなので、色が赤くて綺麗です」
「魚が売れない」コロナ禍で船を降りていった若い漁師たち…燃料代高騰で続く苦境
どんな環境で育っているのか。 県漁業協同組合宮窪支所 関洋二運営委員長: 「長年の経験で大体この辺に魚がおるということを知っておかないと簡単には獲れない」 今治市大島の東側に位置する宮窪町の沖合は船が折れるほど潮の流れがある“船折瀬戸”と呼ばれ、この潮流で身の引き締まった魚が獲れる漁場として知られています。
その一方で、ここ数年、漁師たちを取り巻く環境は荒波の連続でした。 漁師: 「なんとかコロナ禍を乗り切った感じなんですけど、厳しい状況です。船の燃料代も昔に比べたら2倍くらい上がった」 コロナ禍で、飲食店などからの注文が入らず魚が売れない。担い手として将来を期待していた20代、30代の若い漁師が、次々と船をおりていきました。 さらに、追い打ちをかけるように襲ったのが、燃料代の高騰です。この3年ほどで、2倍近く値上がりしました。
漁師の出張セリ市!市場さながらの販売スタイルが人気に
この荒波に立ち向かおうと、宮窪の漁師たちが始めた生き残り策が… 2022年、今治市で始まった「せとうちみなとマルシェ」。月に2度、瀬戸内の新鮮な魚や野菜、キッチンカーなど、あわせて100店舗近くが集まるマルシェです。
その会場に… 漁師: 「はい、セリやるよー!」 宮窪の漁師による“出張漁師市”です。その日水揚げした新鮮な魚を今治港まで直送!来場客を対象に、市場さながらのセリ形式で魚を販売するなど、今ではマルシェの目玉となっています。 購入した男性: 「いっぱい買いました。鯛とメバルとカワハギ、車えびとアコウも」 県漁業協同組合宮窪支所 関洋二運営委員長: 「なんとか皆さんが魚を食べてくれて漁師さんがちょっとでも儲かるようになったらありがたい」