膨らむ費用は『日本の常套手段』...マーケティング専門家「結果がついてくればうやむやに?」立岩陽一郎氏「政府はずっとやってきて、我々は黙認してきた」【大阪・関西万博まで500日】
大阪・関西万博のシンボルに位置づけられている「大屋根」の建設費は約344億円と想定されていて、批判の声が上がっています。資材費や人件費の高騰で、大屋根を含む会場全体の建設費は当初の約1.9倍となる2350億円に増額。さらに会場建設費とは別に約837億円かかる見通しが明らかになっています。 【画像を見る】「無駄遣いのシンボル」と大屋根に批判 経済界・建設業界の声は・・・
「費用が増えるのは日本がよくやる手」
――マーケティング情報論を専門とする近畿大学の川村洋次教授に聞きます。すでに2度上振れ・増額がありました、もうこれ以上増額はないと思っていいんでしょうか。 (川村洋次教授)そうですね。人件費が高くなってきたということがあって、まだ少し増える可能性はあるんじゃないかなと、私は思っています。 ――川村教授は、で「結果(来場者)がついてくれば、盛結果(来場者)がついてくればり上がったで終わるのではないか」と見ているんですね。 (川村洋次教授)東京オリンピックも最初いろいろ言われましたが、メダルが過去最多で、もうそれでみそぎが済んだ、みたいな形になってしまったりとか、愛・地球博も少しずつ額が増えていったけれど、黒字になったので、それほど文句言われなかったっていうことがありました。 今回は本当に回収できるのかわかりませんけれども、結果的に、来場者が何万人とか、3000万人とか行っちゃえば、うやむやになって終わるんじゃないかなと思います、よくやる手です。 (立岩陽一郎氏)川村先生がおっしゃった「よくやる手」は、あまり笑い飛ばせなくて、あらゆることを小さめに出して、それで決定して、お金がどんどん膨らむって、今までも日本のイベントの常套句ですよ。政府はずっとそれをやってきて、我々はそれを黙認してきたわけです。 私は、こうなった政治的な責任は必ず取ってほしい、だけど、まさに今から500日の中でどう解決するかが問われているわけです。 簡単に「やめろ」と言う人がいるんだけど、そうではなくて、やっぱりまさにここから英知を、作り変える英知を発揮すべきでしょう。 空飛ぶクルマとか何とか言っているが、本来の万博の形、命や医療、50年後か1000年後、人はどうあるべきか、こういうところに立脚してほしい。だったらお金払います。世界からもお客さんが来ます。だから、変なものにお金を出すんじゃなくて、ちゃんと意味のあるものにして欲しい。