長塚京三、映画「敵」のシナリオに心動かされる「ここまで書いてくれたのならば」
筒井康隆の同名小説をもとにした映画「敵」より、新たな場面写真と主演の長塚京三、監督を務めた吉田大八のコメントが到着した。 【画像】映画「敵」場面写真はこちらから 同作の物語は、妻に先立たれた元大学教授・渡辺儀助のもとに「敵がやって来る」と不穏なメッセージが届くことから展開していく。長塚が儀助、瀧内公美が清楚で妖艶な魅力を持つ教え子の鷹司靖子、黒沢あすかが死んでなお儀助を支配する妻・渡辺信子、河合優実が儀助を翻弄する謎めいた大学生・菅井歩美を演じた。 3点の場面写真には、儀助のさまざまな日常が切り取られた。パリ大学ソルボンヌ校でフランス文学を学び、フランスで映画デビューを果たした経験を持つ長塚は、フランス近代演劇史を専門とする元大学教授役のオファーを受けた際の思いを「シナリオが、僕に当て込んで執筆してあったんですね。と言っても、筒井先生の小説のほぼその通り、選ばれている台詞などはそう違わない。極端に“長塚風”にしているわけではないのですが、『ここまで書いてくれたのならば』と心動かされました。それに“老い”という身につまされる、興味深い題材でもありました」と振り返る。 クランクイン前には、脚本内の生活描写やフランス文学に関する記述などに違和感がないか、吉田が長塚に一行ずつ相談する機会があったそう。吉田は「フランスで過ごした青春時代のエピソードもいろいろ伺って、儀助の人物像に奥行きと厚みがどんどん加わっていった気がします」と語った。 「敵」は、1月17日より東京・テアトル新宿ほか全国でロードショー。 (c)1998 筒井康隆/新潮社 (c)2023 TEKINOMIKATA