隣家とのわずか45cmの隙間に見つかった「白骨遺体」に「NTTが青ざめた」...大手だろうが例外ではない、知られざる「地面師詐欺」の実態
ハウスメーカー、デベロッパーとして国内最大手の積水ハウスが、50億円以上ものカネを騙し取られた2018年の「地面師詐欺」事件は、いまも多くの謎に包まれている。15人以上の逮捕者を出す大捕物になったものの、不起訴になった容疑者も多数いて、公判でもすべてが明らかになったとは言い難い。 【漫画】死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 このたび、事件をモデルにしたドラマ「地面師たち」(原作・新庄耕)の配信がNetflixでスタートし、大反響を呼んでいる。ノンフィクション作家・森功氏の文庫『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』には、ドラマでは描かれなかった数々の知られざる事実が記されており、その内容を10回連続で公開する。 『地面師』連載第2回 『念願の新築マイホームが借地に…「地面師」詐欺を取り巻く「混沌」と「闇」、警察が悔やんだ衝撃の展開とは』より続く
伝説的な詐欺集団の復活
伝説的な詐欺集団が、昨今、またもや東京の都心や大阪で蘇っている。この数年来、地面師による不動産のなりすまし詐欺が横行し、警視庁や大阪府警がその対応に追われてきた。わけても警視庁に届けられた地面師詐欺の被害件数は、50件を優に超え、100件を超えるとも伝え聞く。 そんな近頃の地面師詐欺のなかで、最初に注目された件が、新橋駅前で起きた「白骨死体事件」ではないだろうか。 2016年10月19日、警視庁愛宕署の捜査員が捜索願いの出ていたある資産家の自宅を探索した。そこで、捜査員の一人が隣の家とのあいだにあるわずか45センチほどの狭い隙間に目をとめた。日中でも日がささず、人ひとりが通るのが精いっぱいで、表通りからは見えない薄暗い場所だ。 その暗がりのなか、捜査員がこんもりと盛りあがった布きれの塊を懐中電灯で照らした。 「何だろうか」 そうひとりごちながら、ボロ布の塊に近づいたら、異臭がした。そして思わずぎょっとした。布きれの塊のように見えた物体は、うつぶせに倒れている人間だった。しかもすでに白骨化していたのである。
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