福間雄三×窪塚俊介『未帰還の友に』予告編&場面写真 太宰治研究家からの絶賛コメントも
福間雄三が監督を務め、窪塚俊介を主演に迎えた映画『未帰還の友に』の予告編と場面写真が公開された。 【写真】オリジナルとして追加された舞台のシーン 本作は、戦争下を時代背景とした作家・太宰治による短編『未帰還の友に』のストーリーに、当時の風俗として歴史に名を残している新宿ムーランルージュのエピソードを付け加え、その時代に生きた青年たちの淡い恋を描いた切ないラブストーリー。太宰の没後75年を記念し、太宰の『女生徒・1936』を映画化した福間によって初映画化された。 小説家の先生(窪塚俊介)を慕う学生たち。先生は中でも、鶴田(土師野隆之介)に特別に友情を感じるようになる。そんな中、鶴田は出征が決まり、一時先生と酒を交わす時間が取れる。2人の常連の居酒屋の娘・マサ子(清水萌茄)は新宿ムーランルージュの舞台に立っていたが、鶴田との恋は手紙のやりとりで続いていた。だが出征が決まった鶴田は苦しみながらも彼女との別れを決心し、先生にそのことを告げるのだった。時代は戦争の泥沼の中で、多くの若者たちの犠牲を強いていく。 本作の<語り部>として物語をリードし、出征したまま未だ帰って来ない教え子の安否を心配しながら、戦争によって引き裂かれた教え子の切ない初恋を回想する先生役を、大林宜彦作品などの窪塚が演じる。 そのほか、教え子の鶴田役とその恋人役を若手俳優の土師野隆之介と清水萌茄、井伏鱒二役を詩人の萩原朔太郎の孫としても知られている萩原朔美、そして水島裕子などがキャストに名を連ねている。 公開された予告編では、戦争下の日本に生きる青年たちの淡い恋の様子や、小説家の先生を慕う鶴田が映し出されている。また、映画版のオリジナルストーリーとなる2人の常連の居酒屋の娘・マサ子が新宿ムーランルージュの舞台に立つシーンなども確認することができる。 新場面写真では、映画のオリジナルとして追加された新宿ムーランルージュのシーンなどが捉えられている。 あわせて、「太宰治検定」実行委員として企画運営を行う太宰治研究家・木村綾子よりコメントが到着した。 木村綾子(太宰治研究家)・コメント 君は、君が、君の、君に──。 繰り返し「君」と呼び、語りかけるように綴られる原作の言葉を、文字ではなく音として、 ずっと聴いてみたかった。ひゃっぺん繰り返した妄想を、本作が鮮やかに書き換えてくれ た。先生が友を呼ぶ声とは、ふたりのあいだに流れていた時間とは、こんなにも優しく、 切なく、そして愛おしいものだったのか。
リアルサウンド編集部