「相手に流れを渡さなかった」決定機阻止 日本代表OBが守護神絶賛「余裕があった」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】鈴木彩艶の決定機阻止を絶賛
日本代表GK鈴木彩艶は、11月15日に行われた2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の敵地インドネシア戦で、先制点を与えかねない場面でファインセーブを見せた。元日本代表DF栗原勇蔵氏は「相手に流れを渡さなかった」と、試合に与える影響が大きいものだったとした。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部) 【実際の映像】「止めてなかったらわからなかった」鈴木彩艶が見事なビッグセーブ披露した瞬間 ◇ ◇ ◇ 雷鳴も聞こえる雨の中でキックオフされた試合は前半9分、3バック中央で起用されたDF板倉滉がロングボールの処理をミスして相手MFラグナー・オラットマングーンに抜け出されてしまう。しかし、鈴木が1対1の大ピンチをファインセーブして先制を許さなかった。 今季からイタリア・セリエAのパルマでプレーする日本の守護神について、栗原氏は「あそこで1対1を入れられていたら、どういう展開だったかも分からない。そんななか、彩艶がきっちり1対1を止めて、相手に流れを渡さなかったところもあると思う」と話す。そして、「相手との距離の詰め方も良かったと思うし、出るタイミングとか出る角度が違っていれば、そのまま右足で簡単に流し込めた」と、守備の選手ならではの視点でセービングの内容を話した。 「うまく彩艶が距離を詰めて、相手が左に持ち替えた。そこもシュートフェイントに引っかからずにちゃんとついていったからこそ、体に当てられた、足に当てられたと感じた。あそこでやられないように飛んでしまったら、もう抜かれておしまいだったけど、そこはしっかりついていった。余裕があるというか、詰め方、姿勢、体勢も良かったと思う。正直、右足でいいコースに(シュートが)いっていたら多分入っていたとは思うけど、それでもちょっとでも可能性が低くなるように角度を切っていた」 また、抜け出された瞬間に板倉が反則で止めると決定的な得点機会の阻止(DOGSO)で退場処分になっていた可能性が高かったが、手をかけることなくプレーを流した。「一瞬、自分のせいでやられそうになった時は、なんとしてでも止めたいことはある。ただし、90分を通してインドネシアと日本の力関係で言えば、ここで万が一、1点を入れられたとしても、それよりも10人で戦う方が良くなかった」と、栗原氏は同じポジションの先輩として板倉の判断を支持していた。
FOOTBALL ZONE編集部