重厚感ある花咲き誇り 飯田市正永町2丁目「正永寺桜」が満開【長野県】
長野県飯田市正永町2丁目に自生し、日本唯一の品種に認定されている八重桜「正永寺桜」が満開となり、花びら約60枚の重厚感ある花が、地区住民や訪れる人の目を楽しませている。 日本桜の会評議員で同市龍江の森田和市さんが1969(昭和44)年、竹やぶの中から見つけ、71年に桜の権威である佐野藤右衛門氏が新品種に認定した。一帯はかつて正永寺(現在は同市江戸町)があったことから正永寺原と呼ばれ、同所にあったことから正永寺桜の名が付いた。 樹高は約5メートル。花は淡紅色で、花びらが60~70枚と多く、めしべが花の中から出ているのが特徴。今年は13日頃から咲き始め、21日に見頃を迎えた。 2004年に保存会が発足し、現在は正永町2丁目の住民約60人が所属。年間を通じて除草や施肥、せん定、消毒などの管理を続けており、飯田西中学校の生徒も協力している。 場所は同校から約500メートル西で、県道8号飯田南木曽線(大平街道)沿いから現地まで案内看板が立っている。保存会の北原治会長は「天気が良ければ色が良くなり、4月末までは咲く姿が見られるのでは」とし、「地元の花としてこれからも守っていきたい」と話した。