/45 第85回大会(2013年) 復興へ「絆枠」東北最多5校
記念大会として例年より4校多い36校が出場した2013(平成25)年の第85回大会。東日本大震災の発生から2年を過ぎても復興途上にある中、東北地区から過去最多の5校が出場した。開会式の入場行進曲には、被災地ゆかりの歌手らが歌うNHKの震災復興支援ソング「花は咲く」が採用された。 前年秋の東北地区大会を制した仙台育英(宮城)が11月の明治神宮大会で初優勝。東北地区の一般選考は、神宮大会枠と、復興支援を目的とした13年限りの特別枠「東北絆枠」の2枠が増えて4枠に。仙台育英と準優勝の聖光学院(福島)、4強の盛岡大付(岩手)に加えて、「野球の実力に加え、地域に密着し、人間力を高めている」として東北絆枠で山形中央を選出。また、記念大会で4枠となった21世紀枠に、いわき海星(福島)が選ばれた。 東北勢のトップバッターいわき海星は1回戦で同じ21世紀枠の遠軽(えんがる)(北海道)に0-3で敗れた。2番手の聖光学院は初戦(2回戦)で21世紀枠の益田翔陽(島根)に8-0で快勝。続く盛岡大付は安田学園(東京)に4-3でサヨナラ勝ちして甲子園初白星。仙台育英は創成館(長崎)を7-2で降した。 最後に登場した山形中央は岩国商(山口)と対戦した。1点を追う五回、下位打線の4連打で3点を挙げて逆転。先発・高橋凌平選手ら3人の継投で13安打されながら踏ん張り、6-2で甲子園初勝利を挙げた。庄司秀幸監督は「自分たちが勝ち進むことで東北に光が当たり、震災の風化を食い止める役割を果たせる」と東北絆枠の意義を語った。 5校中4校が初戦突破し、東北地区のレベルアップを証明した。=つづく