合同トライアウトで白根、藤原に阪神、ヤクルトが熱視線!
一方、野手で、各球団から熱視線を集めたのは、ソフトバンクの白根尚貴内野手(22)だ。左中間、右中間を深々と破る二塁打、三塁打を放ち7打数3安打。オープンスタンスからヘッドが抜けていく迫力満天のスイングで「全体的には強く振るというアピールポイントは見せられたと思う。得意な右打ちでの長打も出て、満足してない部分も多少ありますが、らしさは発揮できたかなと。やることはしっかりやりきった。ここからは連絡を待つだけの立場になって、最後の打席も現役最後のつもりで打席に入ったので、最悪のケースも覚悟しているし、自分が望む支配下選手として入れていただける連絡が来るのを待つだけです」と、本人も納得の結果を残した。 島根・開星高のエースで4番として甲子園で活躍。通算本塁打40本を誇り、その巨漢から「島根のジャイアン」の異名で呼ばれ、2011年にソフトバンクにドラフト4位で指名された。だが、右肘の手術や、ソフトバンクの選手層の厚さなどもあって、主に活躍の場は3軍で、今季は育成契約。それでも2、3軍で130試合に出儒、416打数124安打11本塁打、51打点、打率・298で、出塁率+長打率の指数であるOPSは・792と高かった。それでも、オフには、選手契約ではなく育成での契約継続を打診され、「育成はプロではない。来年はあってもラストのつもり。育成でラストにかけるより支配下でラストにかける方が後悔がない。試合出場の可能性のある支配下にこだわりたい」と申し出を蹴って自由契約を選び今回のトライアウト参加となった。 横浜DeNAの高田繁GMは「うちはチーム事情で獲得できない」と前置きした上で「白根は高校時代から見ているが見違えた。体つきもずいぶんと違ってきた。22歳だろう? まだまだ可能性を感じさせる」と評価した。ヤクルト小川SDも「魅力がある」と印象を語った。 獲得に前向きの阪神は、高野本部長を筆頭に、木戸GM補佐、山川、日高編成部員にアマ担当の池ノ上スカウトまで5人も編成がネット裏に揃って最終チェックした。金本新監督が理想とする「振れる打者」として白根はピッタリとあてはまる。ドラフトでも簡単には見つからないスケールの大きな右の大砲で、まだ22歳。阪神だけでなく白根については、水面下での争奪戦になりそうだ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)