若村麻由美、立て続けに共演の岡本圭人は「ひまわりのよう」 俳優としての成長に感嘆
自分にとって、『Le Fils 息子』は、特別な舞台
アメリカの名門演劇学校での武者修行を経た岡本圭人は、2021年に『Le Fils 息子』の息子ニコラ役で、初舞台を踏み、実父である岡本健一との共演も話題を集めた。「自分にとって、『Le Fils 息子』は、特別な舞台。舞台俳優としての1本目であり、憧れだった父との親子共演。印象に残っているのは、初日の本番15分くらい前、一番緊張しているときに、父が楽屋に来てくれて『これからお前の新しい人生が広がっている。自分を信じてやってほしい』って。すごくいい言葉ですけど、今じゃないでしょ(笑)。不安的なニコラを演じるのに、(本番前に)満たされそうになり、涙が出そうだった」(岡本圭人) 今回、岡本圭人は、戯曲の翻訳にも参加しており「直訳すると、どうしても翻訳調になってしまう。家族劇なので、会話のように翻訳したほうが、フロリアンの気持ちもしっかり届けられるかなと。語尾や主語の有り無しなど、日本語と海外の文化は違うので、翻訳家の皆さんや、若村さんと一緒に(翻訳を)進めていった」とこだわりを見せた。 一方、父ピエール役を再演する岡本健一は、『La Mère 母』について「男は仕事が忙しく家を空けてしまうし、成長した子どもたちにもそれぞれの人生があって、巣立っていく。夫や子どもに全愛情を注いで生きてきた母親は、なぜこんなさみしい気持ちになるんだろうと考えてしまう」と物語の根底にあるテーマを分析。圭人との親子共演に対しては「楽しいだけの舞台じゃないし、作品をいかにお客さんに届けるかだけを考えているので、一緒にやれて幸せそうですねって言うかもしれませんが、そんなんじゃ全然ない」と表情を引き締めた。 最近では、『ハムレット』『ラヴ・レターズ』と立て続けで、若村と岡本圭人の共演が実現しており、若村は「本当に刺激的な存在」と声を弾ませる。「会うたびに成長しているので、『まるでにひまわりのようだね』って。大きな花を咲かせているので、ラッドも驚くと思いますし、著しい成長は観客の皆さんも感じるはず」と岡本圭人への感嘆の声をあげていた。 取材・文・撮影(会見写真):内田涼 <公演情報> 『La Mere 母』『Le Fils 息子』 作:フロリアン・ゼレール 翻訳:齋藤敦子 演出:ラディスラス・ショラー 【出演】 ■『La Mère 母』 若村麻由美 岡本圭人 伊勢佳世 岡本健一 ■『Le Fils 息子』 岡本圭人 若村麻由美 伊勢佳世 浜田信也 木山廉彬 岡本健一 【La Mère 母 東京公演】 4月5日(金)~4月29日(月・祝) 会場:東京芸術劇場 シアターイースト