明豊サヨナラにぼうぜん 悔しさ糧に更なる飛躍へ 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は最終日の1日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝があり、3年連続5回目出場の明豊(大分)は2年連続12回目出場の東海大相模(神奈川)に2―3で破れ、初優勝を逃した。 【明豊vs東海大相模】大熱戦の決勝を写真で サヨナラ負けに、ぼうぜんとグラウンドに立ち尽くした明豊ナイン。頂点まで、あと一歩だった。 チーム発足時に川崎監督から「史上最弱」と叱咤(しった)されたチームは、甲子園で試合を重ねるごとに成長を続けてきた。昨秋の九州大会では迫力を欠いた打線が甲子園では一変、決勝でも力を発揮した。 相手先発は2試合連続完封中のエース石田ではなく石川。2回戦の市和歌山戦で大会屈指の右腕・小園を打ち崩し、準々決勝でも優勝候補の智弁学園(奈良)に打ち勝った打線は、自信満々の鋭いスイングで襲いかかった。一回に先制点を奪うと、四回には2番手の求から犠飛で勝ち越し。常に先手を取り、「石田投手が出てくる前に得点したかった」(黒木)と狙い通りの攻撃を見せた。 「最弱」からスタートしたチームは甲子園の決勝までたどり着き、「最強」のチームにはなった。しかし、六回途中から石田がマウンドに上がると、あと一押しができない。同点の八回2死一、二塁、2番・阿南が二遊間に鋭い打球を放ったが、二塁手の好守に阻まれ勝ち越し点はならなかった。相手を上回る10安打を放つも13残塁を喫し、阿南は「ここぞで打つ集中力が必要」と悔しがった。川崎監督も「100%の力を出し切った。成長した」と選手たちをたたえつつ、「負けん気を失うと成長しなくなる。準優勝に終わった悔しさを持ち続けてほしい」とさらなる飛躍を求めた。 第91回大会(2019年)の4強入りに続いて、2年ぶりのセンバツで決勝までたどり着いた。「日本一」目前まで迫った経験は、チームをさらに成長させるはずだ。【吉見裕都】