[山口県]県美展大賞に最高齢81歳の井岡さん 山口、油絵の大作「鬼哭啾啾」
山口県は4日、第76回山口県美術展覧会の審査結果を発表した。最高賞の大賞には山口市小郡下郷の画家、井岡義朋さん(81)の油絵「鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)」が選ばれた。県立美術館によると、井岡さんは歴代最高齢の大賞受賞者となる。 「鬼哭啾啾」は100号を2枚並べた大画面のキャンバス(縦約160センチ、横約320センチ)の隅々にわたって兵士や爆撃、銃撃といった戦争や紛争などに関する様子を独自の感性やタッチで描いている。さまざまなメディアで日々流されるニュース映像や写真などからインスピレーションを得ており、タイトルは作品を見た妻が考案したという。 井岡さんは同市出身。物心ついた頃から絵を描き始め、武蔵野美術大に進学。卒業後も創作活動を続け、県美展ではこれまでに現在の優秀賞に当たる特別賞を1回、佳作を6回受賞している。大賞の受賞は初めてで、「ようやく審査員と僕の気が合ったのかな。これからも頭の中で作品のアイデアが思いつく限り描き続けたい」と話した。 今年の県美展には203人、1組から絵画や写真、陶芸など計266点が寄せられた。2月20、21の両日に審査会があり、大賞1点、優秀賞5点、佳作32点の入賞計38点と入選92点を選んだ。 入賞、入選作品を展示する県美展は7~24日、山口市亀山町の県立美術館で開かれる。