英アンドルー王子

Netflixの新作『グレート・スクープ』が大きな注目を集めている。同作は、英ロイヤルメンバーのアンドルー王子が、性的人身売買で有罪判決を受けたジェフリー・エプスタインとの関係を問われ酷評を浴びた、2019年のBBC『News Night』のインタビューについて描いたもの。 【実際の写真】熱心に何を話している…？カメラマンが撮影した、公園を歩くアンドルー王子＆エプスタインの姿 オープニングシーンは、2010年のニューヨークから。カメラマンのジェイ・ドネリー（俳優：コナー・スウィンデルス）がライターのアネット・ウィザリッジ（俳優：ケイト・フリートウッド）と一緒にアッパー・イーストサイドにあるジェフリー・エプスタインのタウンハウスを張り込んでいるシーンで始まる。 彼らはタウンハウスから少女が出てくるのを目撃。そしてその翌日、ついにエプスタイン（俳優：コリン・ウェルズ）とアンドルー王子（俳優：ルーファス・シーウェル）が出てきて、セントラルパークに向かって歩いて行く姿を目にすることとなったのだ。 「来るぞ。エプスタインだ」とカメラマンのジェイ。次に出てきた人物を見てアネットが「アンドルー王子よ！」と叫ぶが、車が通ってカメラが遮られてしまう。ジェイはカメラを持って車を降り、セントラルパークに入っていく2人の後をつける。カメラを隠しながら後ろを歩いて2人の写真を撮ろうとするが、なかなか上手くいかない。なんとか良い写真を撮ろうと作戦を変更して、走り出す。 ドラマの中でジェイは先回りして茂みに入り、小道の上の岩に登ってカメラを向けた。そして今ではすっかり有名になったあの1枚の写真をカメラに収めた。2010年、セントラル・パークを2人並んで歩く、エプスタインとアンドルー王子の写真だ。 「アンドルー王子がニューヨークにいるというマル秘情報を掴んだのです」と、アネットが後に『Vanity Fair』に語っている。彼女は2010年12月3日から、イースト65thストリートにあるギレーヌ・マックスウェル（イギリスのソーシャライトでエプスタインの元恋人。未成年の少女たちを斡旋していた）のタウンハウスの張り込みを開始していた。 「王子と彼女は昔からの友人なので、王子がどこかに泊まるとしたらギレーヌのところだろうと推察したのです」とアネット。「アンドルー王子はホテルにも泊まりますが、大体いつもお金持ちの家に泊まる傾向があったので」。 だが、今回はギレーヌ・マックスウェルの家ではなく、71thストリートのエプスタインの家に泊まっていると、彼女は気づいた。そして3日後、ついに張り込みの成果がでた。 「本当に突然のことでした。ドアを開けて白髪の男が出てきたのです。エプスタインはグレーがかった白髪ですが、アンドルー王子があれほど白髪になっていたとは知りませんでした。ちょっと、アンドルー王子じゃないの！と驚きました。なぜ王室警護のチームは、外にレポーターやカメラマンの集団がいると言わなかったのかと、後で思いましたね」。彼らはすぐさま2人の後を追いかけた。 『Vanity Fair』によると、「セキュリティーに見つかる可能性があったため、カメラマンのジェイは2人を追い越すことはできなかった。そこで一度セントラル・パークから出て5番街を下り、柵を飛び越えて再びパークの中に入って、もうすぐ2人が歩いてくるであろうはずの小道を見下ろす岩層の上に立った。そして、2010年12月5日日曜日の午後1時40分頃、マンハッタンの巨大な黒い岩の上で、ジェイ・ドネリーはバックパックからカメラを取り出し、アンドルー王子とジェフリー・エプスタインを待った。そして、彼の真下の小道を通り過ぎるまさにその瞬間にシャッターを切った。ジェイのこのわずか数秒の出来事が、世紀の写真として永遠に残った」と明かした。 ジェイは、「あの写真がなければ、彼らはお互いのことは知らないと否定することもできたでしょう」と述べている。写真は2011年2月20日、『アンドルー王子と小児性愛者』という大見出しと、調査担当編集者メイザー・マームードの記事とともに『News of the World』紙に掲載された。「あの写真がなければ、記事にはならなかったでしょう。証拠がありませんから。王子は、有罪判決を受けた小児性愛者の家で4日かそこら過ごしていた、なんて言っても私たちは到底信じてもらえなかったでしょうね」とアネットは述べている。 『グレート・スクープ』はNetflixで配信中だ。