まさかの最下位転落も...蘭名門アヤックスは大不振から立ち直れるか。三笘所属ブライトンとの成熟度には明確な差が【現地発】
視野が狭くなってしまっている印象を受ける
狂った歯車を正しくかみ合わせる作業はとても困難だ。誰だって何とかしたいと思って気合いを入れる。でもそのベクトルがかみ合わないとサッカーはうまくいかない。ずれが生じると、エネルギーがよりかかる。次のプレーにスムーズに移行できなくなる。 【動画】キレキレのフェイント→オウンゴールを誘発して感情を爆発させる三笘 オランダの名門アヤックスがそんなサイクルの中にいる。 監督やスポーツディレクター、ゼネラルマネージャーのポスト人事がうまくいかないことが続き、それがもろに戦績に影響を及ぼしている。10節のPSV戦に2-5と敗れたあと、ついにエールディビジ最下位にまで転落してしまった。 10月30日、アヤックスのDNAを持つヨン・ファントシップを新監督に招聘。その効果が出たのか、フォーレンダム戦で実に11試合ぶりの勝利を挙げると、続くヘーレンフェーン戦にも勝手2連勝。最下位脱出に成功した。 一気に勢いに乗っていきたいところだが、サッカーはそこまで甘くはない。続くヨーロッパリーグのブライトン戦(グループステージ第4節)では、今のアヤックスが直面している問題が露わになっていた。 試合開始直後から相手陣内で鋭いプレスでボールを奪う。ホームに詰めかけた観客が大声援で後押し。選手の闘争心が一つのプレーをきっかけにチーム全体、そしてスタジアム全体に伝わっていく。 勢いは確かにある。でも視野が狭くなってしまっている印象を受ける。悪くない形を作るが、シュートではなくパスを選択してしまうジレンマ。あるいはシュートのタイミングではないところでドカンと打ってしまう。ファンからのため息交じりの「あー」という声が響く。 サッカーとはちょっとしたことで流れは好転するし暗転する。上手くいっていない時だからこそ、より流れを生み出すためのプレーが必要になる。それこそフリーでボールを持っているなら、味方の前足にパスを送れるかどうかは重要なポイントになる。そこでの少しのずれというのは時間にしたら数秒かもしれないが、その間に相手は守備バランスを修正できる。
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