20歳にして自己最高４位までランクを上げたルネ（左）。フェデラーの元コーチであるリュティ氏（右）をチームに迎え、盤石の体制で来シーズンに臨む。(C)Getty Images

　男子テニス界のニューヒーローとして飛躍を遂げている20歳のホルガー・ルネ（デンマーク／世界ランク８位）が、今年10月にコーチとして招聘したボリス・ベッカー氏（ドイツ／元１位／56歳）に続いて、新たなサポートメンバーをチームに迎え入れたことを報告した。 【画像】ルネが自身のSNSで公開したベッカー、リュティらとのチーム集合写真 　その人物とは、昨年９月に引退した“テニス界の英雄”ことロジャー・フェデラー（スイス／元１位／42歳）を2007年から約15年にわたって指導した名将セベリン・リュティ氏（スイス／47歳）だ。 　ルネは12月21日に更新した自身の公式X（@holgerrune2003）で「ボリスと共にセベリンを僕のチームに迎えることができてとてもうれしい」と喜びの言葉を添え、リュティ氏やベッカー氏、さらには母親でマネージャーのアネク・ルネさんらと共に、自身の練習拠点であるモナコ・モンテカルロのコートで撮影した“新チーム”の写真を公開している。 　 　2023年シーズンはモンテカルロとローマのマスターズ２大会で準優勝し、ローマではノバク・ジョコビッチ（セルビア／現１位）を破る金星を挙げるなど素晴らしい活躍を見せていたルネ。ところが７月のウインブルドンでベスト８に入って以降は腰のケガの影響もあってほとんど勝てず、非常に苦しい時期が続いた。　 　それでもシーズン終盤にベッカー氏がコーチに就任してからは、10月末の「バーゼル・オープン」（スイス・バーゼル／インドアハードコート／ATP500）でベスト４、翌週の「ロレックス・パリ・マスターズ」（フランス・パリ／インドアハード／ATP1000）でベスト８と復調の兆しを見せ始めていた。過去に現王者のジョコビッチを指南したベッカー氏に加え、フェデラーのコーチを務めた経歴を持つリュティ氏のサポートまで得られるとなれば、ルネの再起は大いに期待できるだろう。 　超強力な布陣で新シーズンを迎えるルネ。ベッカー氏とリュティ氏とのタッグがどのようなケミストリーを生み出すのか注目しよう。 文●中村光佑