<浦学新時代>’22センバツ キンカンジュース「甘くておいしい」 顧問・車谷さん手作り /埼玉
センバツに向けて練習に熱が入る浦和学院(さいたま市緑区)では、野球部のスタッフが選手たちの体調維持にも心を砕いている。強化練習がスタートした15日には、学校職員で顧問の車谷裕通さん(59)が手作りの温かいキンカンジュースを選手たちに振る舞った=写真。作りたてのジュースを口にした選手たちは「おいしい」「もう一杯おかわり」と顔をほころばせ、30分ほどで大鍋が空になっていた。 車谷さんは浦和学院1期生で野球部の初代主将。新型コロナウイルス流行前は、選手たちに手料理をよく振る舞っていたという。喉あめを買ってきた選手を見かけ、ビタミンやカルシウムが豊富で喉の粘膜にもよいとされるキンカンで風邪を予防してもらおうと、この日午後に野球部の食堂で2時間かけて準備した。 キンカン約160個を半分に切って種を抜き、砂糖と水を加え、缶詰のパインと蜂蜜で風味を調整。大鍋で40~50分煮立てて苦みを飛ばした力作だ。 練習の合間にジュースを飲んだ高山維月捕手(2年)も「甘くておいしい」と頰を緩めた。「自分たちのためにありがたい。こうして支えてくれる人たちに恩返しできたら」 寮生活の選手も多く、車谷さんは「薬をあげるのは簡単だけど、みんな親元を離れているからね」と、一手間掛けた思いを話す。今月いっぱいは風味付けをユズなどに替えて作る予定だという。【平本絢子】