バイデン政権下で最後のウクライナ支援関係国会合 今後は不透明
ロシアの侵攻を受けるウクライナの防衛について協議する米欧など関係国による会合が9日、ドイツ西部のラムシュタイン米空軍基地であった。今回が25回目でバイデン米政権下では最後の開催となる。ウクライナへの支援継続に懐疑的なトランプ次期政権下で同様の形式で会合が維持されるかは不透明だ。ウクライナのゼレンスキー大統領も参加し、関係国が結束する重要性を訴えた。 「あと11日で欧州と世界全体にとって新たな章が始まる。より結束し、より互いに信頼し合い、共により大きな成果をあげなければならない。今がチャンスの時だと考えている」。ゼレンスキー氏は20日に発足するトランプ次期政権を念頭にこう強調した。 また停戦が実現した際に欧州各国が軍をウクライナに駐留させる案について触れ、「ロシアに平和を受け入れさせる最良の手段の一つだ」として検討を呼びかけた。 米国防総省によると、米国が主催する会合は2022年2月にロシアがウクライナに侵攻した後の同年4月に初めて開催され、現在は約50カ国が参加する。ウクライナ支援の象徴的な枠組みとされ、戦況に合わせて供与する兵器などを調整してきた。 オースティン米国防長官は防空ミサイルなど5億ドル(約788億円)の追加支援を発表。記者会見で「ウクライナを支援する連合はひるんではならない。ウクライナの存続がかかっている。それは我々の安全保障でもある」と強調した。 トランプ氏は停戦の仲介に意欲を示すが、ロシアとウクライナの主張は大きく隔たっており、停戦の合意は容易ではないとみられている。トランプ氏はこれまで「大統領就任前」や「就任後24時間以内」に解決するなどと豪語してきたが、7日の記者会見では「6カ月以内」と姿勢を後退させた。ウクライナの支援継続についても「話さない」と明言を避けた。【ワシントン松井聡】