福島第1原発処理水の海洋放出1年を前に 関連設備を報道機関に公開 東京電力
東京電力は9日、福島第1原発処理水の海洋放出から24日で1年となるのを前に、報道機関に処理水の関連設備を公開した。 海水で処理水を薄めて放出する設備、来年1月から解体される21基の処理水タンク群、トリチウムの濃度を確認する集中監視室などが公開された。 新事務本館で吉田貴彦常務、処理水対策責任者を務める松本純一フェローが記者会見した。松本氏は、原子力規制委員会から認可を受けた実施計画や国際原子力機関(IAEA)が定めた安全基準に従い、放出を続けていると説明。「今後も客観性、透明性を高く保ち、処理水の海洋放出に取り組んでいく」と述べた。 東電は多核種除去設備(ALPS)で浄化できないトリチウムを海水で薄め、海底トンネルを通じて原発の沖合約1キロで流している。これまでに約5万5千トンの処理水を海洋に放出した。今月7日からは通算8回目の放出を実施している。 処理水海洋放出を巡っては、4月に構内の電源ケーブル損傷による停電が発生し、放出が一時停止するトラブルが起きている。