舛添都知事「公金への鈍感さが問われている」と弁解
「公金への鈍感さが問われている」。政治資金の流用疑惑について説明した13日の会見で、東京都の舛添要一知事は釈明に追われた。公用車による別荘通いなどで「公私混同」批判が集まる中、公金に対する感覚のズレを指摘する声に対して、舛添知事は自身を省みてこう弁解した。 【写真】“家族旅行”報道 舛添都知事「ホテルで会議した」政治活動と説明
ホテル会議の人数「差し控えたい」
政治資金を家族旅行にあてたとする疑惑では、千葉県内のホテルに会議費名目で計37万1000円(2013年1月と2014年1月)を支出したと政治資金収支報告書に記載されていた。舛添知事は、家族が宿泊する部屋ではあったが、いずれも事務所の関係者らと会議を行ったので「政治活動」だと説明した。 2013年1月は参議院選挙の対応について、2014年1月については直後に出馬表明した都知事選の対応について話しあったという。2014年のケースでは「この日にやらないと立候補に間に合わなかった」と会議の必要性を強調した。 記者からはホテルでの会議に出席した人数や顔ぶれを問う声が相次いだ。しかし、「政治的機微に関わることで、相手にもプライベートがあるので公表は控えたい」と繰り返した。政治活動の証拠として人数を示すべきとの追及にも「人数も差し控えたい」「想像に任せる」などと口を濁した。 会議は行なったものの、家族が宿泊した部屋を使ったことで誤解を招いたとして、政治資金収支報告書を訂正し、返金すると説明したが、週刊誌報道で政治資金問題が浮上する前は、公用車で湯河原(神奈川県)の別荘に通っていたことや、海外出張の際にスイートルームやファーストクラスを利用していたことに「公私混同」との批判が上がっていた。 公金に対する感覚のズレをただされると、「公金への鈍感さが問われている。今後は批判されないようやっていきたい」と弁解した。 会見での説明で都民が納得するかと問われた舛添知事は、「納得するかどうかは有権者の判断だが、私は真摯な対応を取ったと思っている」と述べ、説明責任を果たせたかとの問いには「果たせた」と言い切った。 (取材・文/具志堅浩二)