サインは「放り込め」 県岐阜商・佐々木主将が意地の一発 センバツ交流試合
2020年甲子園高校野球交流試合は第2日の11日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場であり、県岐阜商は明豊(大分)に2―4で敗戦した。 【写真特集】県岐阜商・佐々木が第1号 今大会の全ホームラン 県岐阜商ベンチから、外野スタンドを指さす鍛治舎監督が見えた。九回、先頭で打席に入った主将の佐々木。すぐさま「スタンドへ放り込め」というサインだと悟った。明豊の3番手左腕・太田に追い込まれたが、5球目の外角高めの直球を強振し、左中間スタンドぎりぎりに放り込んだ。交流試合第1号に「1試合しかないので何とか打ちたかった。自信になった」。ガッツポーズのまま、ダイヤモンドを一周した。 高校通算41号目となる記念の一発だ。入学直後から打線の中軸を任されるスラッガー。2ストライクに追い込まれると、コンパクトにミートするノーステップ打法に切り替えるのが県岐阜商打線の鉄則だが、佐々木は「監督から『強いバッティングをしろ』と言われていた」。記念の本塁打は、左足を上げてしっかり踏み込む自身のスタイルを貫いた末に生まれた。 学校関係者に新型コロナウイルスの感染が確認された影響で、チームは県独自大会の出場を辞退し、外出も禁止となった。自宅で筋力トレーニングをしながら独自大会をテレビで観戦し「うずうずしていた」という。 それでも、負けた悔しさは人一倍身にしみる。「次の舞台でも活躍できるように、しっかり鍛え直したい」。いつもと異なる「夏」の経験を、無駄にするつもりはない。【伝田賢史】 ◇全16試合をライブ中継 ニュースサイト「毎日新聞」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)と「Yahoo!JAPAN」が運営する「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)で展開する「センバツLIVE!」では、センバツ交流試合の全16試合をライブ中継します。センバツLIVE!は、パソコンやスマートフォンで、いつでもどこでも無料でお楽しみいただけます。勝負の裏側に迫った最新のニュースや写真特集など、試合の情報が盛りだくさんです。センバツ交流試合にどうぞご注目ください。