今さら聞けないNISAって何?/木暮太一のやさしいニュース解説
非課税5年、その後どうなる
―――「5年たったら、どうなるの? 没収されちゃうとか!?」 いえ、そうではありません。5年たったら、そこで一度清算したと考えます。 本当にそこで持っている株を売って清算しても構いませんが、継続して保有しても構いません。継続する場合は、「その時の値段で新しく買い直した」とみなし、その後は、その値段を基準に利益がどれだけ出たかの計算をします。
【特徴4 “非課税枠”は一度に使う必要はない。でも「翌年に繰り越し」はできず、一度使ったら、なくなる】 100万円の“枠”は、その年の権利であって、翌年に繰り越すことはできません。また、使ったらなくなるということも知っておかなければいけませんね。 ―――「どういうこと?」 最初、20万円の株を買ったら、“枠”を20万円分使ってしまうので、残りの枠は80万円になります。この株を売却しても枠が100万円に戻るわけではありません。デイトレードをしている人は、すぐに枠を使い果たしてしまいそうですね。 これらがNISAの特徴です。
4年間は金融機関を乗り換えられない
―――「なるほどねぇ。ねぇ、NISAって、どうやったら利用できるの?」 “NISA口座”を受け付けている証券会社や銀行で口座を開設することができます。「NISA 口座開設」などと検索すれば、すぐに見つかるでしょう。ただし、金融機関によって、売買手数料が違ったり、NISA口座で買えるもの(国内株式、外国株式、投資信託、積み立て投資など)が異なりますので、ご注意ください。 ―――「じゃあ、いろんな会社に口座を作って一番便利なところにすればいいね」 いえ、それはできません。NISA口座は、ひとつの金融機関にしかつくれないのです。また、一度NISA口座を作ったら、4年間は口座を他の金融機関に乗り換えることができません。 ―――「え!? そうなの??」 口座を開設する前に、十分吟味する必要がありそうですね。 ----- 木暮 太一(こぐれ・たいち) 経済ジャーナリスト、(社)教育コミュニケーション協会代表理事。相手の目線に立った伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、現在では、企業・大学などで多くの講演活動を行っている。『今までで一番やさしい経済の教科書』、『カイジ「命より重い!」お金の話』など著書36冊、累計80万部。最新刊は『伝え方の教科書』。