聴覚障害者の困り事は何? 三重「松阪をお手伝いし隊」街歩きで検証
マスク口元見えない 筆談や指さしを
多分野で三重県松阪地域のまちおこしに関わる有志団体「松阪をお手伝いし隊」(沼田英士代表、5人)は28日午後1時半から、聴覚障害者の生活上の困り事を検証して解決しようと、当事者を交えた「街歩き」を実施した。障害者からは、マスク着用で表情が分かりにくいので、店舗では筆談や指差しなどを求める声が挙がった。 同団体は文化、観光、情報発信から祭り運営のボランティアまで多分野で松阪地域の振興に関わっている。市では2014(平成26)年に、手話を言語として聴覚障害者が暮らしやすい環境づくりを目指す「市手と手でハートをつなぐ手話条例」を制定。以降、関係団体が当事者と街を歩くなどして、課題を見つけて市に改善を求めている。 この日は10人の聴覚障害者が参加。まず日野町のカリヨンビルで、現状の困り事を出し合った。当事者からは「マスク越しの会話からは話し手の表情が読み取れない」「銀行などで使われる(受け付けの)番号表示が便利」「店員に声を掛けにくい」などの声があった。 その後、街歩きに出発し、中町の駄菓子のあいや、魚町の豪商のまち松阪観光交流センターなど4カ所を巡った。各店舗などでは「どのような配慮があれば当事者にとって便利か」をテーマにスタッフらと意見を交換。高齢男性は「マスクで口元が見えないので、指差しや筆談をしてください。手話ならとてもうれしいです」と伝えた。 また「耳が不自由です」「呼ばれても聞こえません。手で合図してください」などと書かれたカードを置くことや、呼び出しブザーの設置などを提案した。