世界で2番目に広く、世界一乾燥した砂漠の真ん中でディナーをしてきた
セレブリティがこぞって旅のコーディネイトを依頼するのが、富裕層向けコンシェルジュサービス、アルカディアの才津香果(さいつかぐみ。以下かぐみ)さん。これまで自身の旅にかけてきた自腹総額は9億円超え。非日常を求め世界を回り続ける彼女が紹介する、脳がバグる驚きの旅とは。連載第2回は、南米チリのアタカマ砂漠とパタゴニアのエコツーリズムへ! 【写真5点】南米チリのアタカマ砂漠とパタゴニアのエコツーリズム
世界で2番目に広く世界一乾燥した砂漠
「砂漠でアペリティフがしてみたい」 乾いた風が頬を撫でるチリ北部アタカマ砂漠。アンデス山脈と海岸沿いの山地に挟まれた、世界で2番目に大きな砂漠だ。そんな土地で、かぐみさんがホテルのコンシェルジュに伝えたのがその言葉だった。 一見、無茶なリクエストにも聞こえるが、その日のうちに砂漠の絶景ポイントが選ばれ、夕方には、アペリティフに向かう迎えのクルマがかぐみさんのところにやってきたという。 「チリは自然を守りながら、その魅力を観光客に伝え、環境保全につとめるエコツーリズムの最先端の場所といわれています。何か有名なアクティビティがあるわけではありません。リゾートに到着したらまず、コンシェルジュが地図を広げ、どこでどんな体験がしたいのか、プランを作るところから始めるんです。ラグジュアリーリゾートであればあるほど、自然をどう楽しむかよくご存じの、経験豊富なコンシェルジュがいらっしゃいます。ひたすら広がる大自然のなか、どうゲストを楽しませるかは、コンシェルジュの提案力と想像力にかかっていますから」 旅慣れたかぐみさんだからこそ、「砂漠でアペリティフ」というアイデアが浮かんだのだろうが、砂漠でどう時間を過ごしていいかわからないゲストもいるはず。だからこそ、大自然のなかのリゾートコンシェルジュはさまざまな体験の提案をする。 「あの場所に行けば動物に会えるとか、絶景とスリルを感じられるトレッキングならどこなど、その土地を知り尽くしているからこそ提案ができるのです。ゲストに具体的な希望がなくても、会話から各ゲスト独自の好みやスタイルを見つけます。彼らの質問力、想像力、提案力は同じコンシェルジュとして勉強になりますね」