カワサキ「Z2」再生 4ストエンジンにとって重要なタペットを確認・調整 ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol,4
4ストロークエンジンはタペットノイズに注目
「頑丈なエンジン」であることでも、たいへん有名なのがカワサキの初代空冷Zシリーズです。しかし、過信や油断は禁物!! このエンジンは頑丈だから大丈夫だと信じて走り続けてしまい「気が付いたときには……」といったお話しも決して少なくありません。 【画像】カワサキ「Z2」のタペット調整を画像で見る(15枚)
最悪の場合、主要エンジン部品が継続使用できない、修理もできない、いわゆる「お釈迦」となってしまうケースもありました。いくら頑丈なエンジンとはいえ、各部機能が正しく、正常に作動していなければいけなせん。 そんな正常作動の裏付けとなっているのが「エンジンオイルのコンディション管理」などなどの日常メンテナンスになります。このエンジンに限らず、4ストロークエンジンの場合は、高性能で評判が良いエンジンオイルを入れたから「長く使ってみよう……」ではなく、あくまで定期的な交換が大切です。この重要性を理解しないと、残念な結果になってしまうこともありますので、理想的には「早め早めのオイル交換」を実践するように心掛けましょう。
一般的に、きちっとしたメンテナンスされてきたバイクなら、タペットクリアランス(タペット:カムシャフトとカム山によって駆動される部品との間に備えられ、直線上の動作を伝達する部品)が大きく狂っているようなケースは少ないと思います。 しかし、過去に分解履歴があるような旧車エンジンの場合は、単純なミスで組み付け場所を間違えてしまったり、最終的な確認作業を行わないままで、ヘッドカバーを閉じてしまうケースも考えられます。ヘッドカバーを取り外すような機会があるのなら(例えばオイル漏れやオイル滲みの修理などで)、タペットクリアランスの確認くらいは必ず実施するようにしましょう。
タペットクリアランスの調整は、4ストロークエンジンにとって極めて重要な作業になります。隙間が広過ぎるとカチカチノイズが大きく、タペットシムがタペット本体の中で踊って(暴れて)しまい、結果としてコインのような調整シムが割れてしまうこともあります。