南海トラフ地震の臨時情報が発表されても「慌てないで」正しい理解と事前のシミュレーションが大事 専門家に聞いた
4月17日、南海トラフ地震の想定震源域内で発生したM6.6の豊後水道地震。今回の地震を受けて「南海トラフ地震臨時情報」について多く報道されたが、複雑でわかりにくいという人も多いのでは。もし発表されたらどう行動すればいい?専門家に聞いた。 【画像】揺れていないのに事前避難するのはなぜ?
豊後水道地震M6.6 あと0.2で…
4月17日23時14分ごろに発生した豊後水道地震の震源は南海トラフ地震の想定震源域内であった。京都大学防災研究所宮崎観測所の山下裕亮助教は「もともとこの場所は地震が多いところで、特段、特別な地震ではない。」と解説する。 南海トラフ地震は四国の大陸プレートとフィリピン海プレートの間、プレート境界で起こるが、今回の地震は沈み込むプレートの中で起こった地震。南海トラフとの関連性については、気象庁もメカニズムが違い、規模も小さいということで、「関係はない」と発表している。 気象庁 地震津波監視課 原田智史課長: 「南海トラフ地震の発生を検討、調査する地震の基準がマグニチュード6.8以上の地震だが、今回の地震はマグニチュード6.6ということで、これをもって直ちに調査に入ることはしていない。今後どのような関係があるかについては、専門家の間で検討はされると思うが、少なくともこの地震の発生をもって評価検討会を行うことは考えていない。」 南海トラフ地震の想定震源域などでマグニチュード6.8以上の地震が発生、または異常な現象が確認された場合は、地震発生から5~30分後に南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表される。今回のマグニチュードは6.8だった。わずか0.2の差であった。 「南海トラフ地震」「臨時」「調査中」と出ると、知らないと「地震があるのではないか」と慌ててしまいそうだ。言葉の強さがありすぎてインパクトも強い。「しかしこれはあくまでも、今から調査を始めます、という情報。この情報が出たからと言って、このあと南海トラフ地震がすぐ起こるとか、そういうわけではない。」と、山下助教は話す。 評価検討会が立ち上がって約2時間で調査が終わり、そのあとは「調査終了」「巨大地震注意」「巨大地震警戒」3つの情報のいずれかが発表される。わかりやすく言うと… 「調査終了」:普段の生活に戻って良い 「巨大地震注意」:地震への備えを再確認 「巨大地震警戒」:地域によって1週間程度の事前避難