キム・ヒャンギ×シン・ヒョンスン、初披露の歌は「真心を込めた」 『プレイ・プリ』を語る
日本でも話題となった韓国ドラマ『愛の不時着』のプロデューサーと、『梨泰院クラス』のプロデューサーが生み出すHulu初のオリジナル韓国ドラマ Huluオリジナル『プレイ・プリ』が11月18日正午より配信される。原作はWEBマンガの『プレイリスト』で、女子大生のハンジュと人気アイドル・ドグクの秘密の恋を描く。 【写真】キム・ヒャンギ「ヒョンスンは犬顔、ヨンオは猫顔」…スリーショット公開 ハンジュを演じるのは、子役時代から高い演技力が評価され、23歳ながら芸歴18年ものキャリアを持つキム・ヒャンギ。ドグクは、2020年にカカオエンターテインメントが開催したオーディションで5000倍の競争率を勝ち抜き優勝し、次々と話題作に出演している注目の俳優、シン・ヒョンスンが演じる。 リアルサウンド映画部ではキム・ヒャンギとシン・ヒョンスンにインタビューを実施。初共演となるお互いの印象から、ドラマの中で歌を初めて披露することについての心境や覚悟までを聞いた。 ■シン・ヒョンスン「あえてコメディ色を出そうと自分なりに解釈して演じた」 ーードラマではお2人がとてもかわいらしい雰囲気を醸し出していました。本作が初共演ですが、お互いにどのような印象持たれましたか? キム・ヒャンギ(以下、ヒャンギ):ヒョンスンさんと初めてお会いしたのは、まだ撮影に入る前、マクチュン役のヨンオさんと一緒にテスト撮影をしたときでした。その時に、ドグクとイメージがぴったり合う方だと思いました。 シン・ヒョンスン(以下、ヒョンスン):僕は子どもの頃からヒャンギさんの映画やドラマなどの作品をたくさん観ていたので、実際に初めてお会いしたときは不思議な感じがしました。多くの方がそうかもしれませんが、僕の頭の中にあるキム・ヒャンギさんは、まだ子どもっぽいイメージだったんですが、初めてお会いして「あ! 大学生のハンジュだ」と思いました。 ーー私もヒャンギさんを子役時代から知っているので、ヒョンスンさんと全く同じ気持ちでした(笑)。ところで、ヒャンギさんが演じるハンジュ、ヒョンスンさんが演じるドグクはどういう人物だと解釈していますか? そしてどんなことを意識して演じられましたか? ヒャンギ:ハンジュは、素顔を隠して趣味の弾き語り動画をSNSに投稿している「プリ」、そしてドグクはアイドル「レビ」という本来のキャラクターと別のもう一つのキャラクターを持っている登場人物です。私が意識して演じたのは、ハンジュは夢を諦めずに現実と戦いながら頑張ってきた人だということです。その気持ちはどこからきたんだろうか……ということを忘れずに演じようと思いました。ドラマをご覧になれば分かると思いますが、ハンジュは過去の心の痛みを抱えて生きているんです。夢をずっと追い続けて、過去の心の痛みさえ夢として記憶したいと思っていたと感じています。ハンジュがそんなふうに考えるようになったのはなぜなんだろう、その気持ちはどこからきたんだろうということもあわせて考えながら演じました。そしてハンジュは、現実にぶち当たり葛藤する中、ドグクと出会いました。過去の心の傷が自分に何らかの影響を与えていることにそこで気づいた思うので、その点も気を配りながら演じました。 ーーなるほど。 ヒャンギ:演技をしながらもう一つ気を付けたところは、一見するとハンジュはちょっと冷たく、心を閉ざしている女性に見えたりします。でもハンジュなりの事情があるし、彼女は心が成熟しているので、その点もしっかりと演技をしてみせようと思いました。 ヒョンスン:僕が考えるドグクは、ちょっと子どものようなところがあって、子犬みたいにすごく純粋な魂の持ち主だと感じました。これが彼の素のキャラクターだと思うんです。もう一つ別のキャラクターとして、ドグクはアイドルのレビという顔を持っています。ドグクと違ってレビは大人だと感じる部分があるので、その両面をしっかり出したいと思いました。ドグクに関して言えば、彼はおそらく周りを気にしないで行動する人だと思うので、その点を意識しました。つまりドグク自身がしたいこと、好きなことが明確で、さらにその点に対して彼は正直なんです。彼は自分のやりたいことをやり遂げるために、物語の序盤である選択をします。そこであまりにも正直さを出し過ぎるとわがままな人になってしまうので、彼のキャラクターに合わないと感じました。のめり込んで演じるのではなく、あえてコメディ色を出そうと自分なりに解釈して演じました。 ■キム・ヒャンギ「台本を読んだとき、メッセージや長所がたくさんあると感じた」 ーー今回の作品は歌がキーポイントになっています。お二人がドラマで初めて歌唱を披露されるということで、難しかったところや楽しかったところを教えてください。 ヒャンギ:今回一番難しかったのは物理的なことではなく、心のプレッシャーをなくすことでした。音楽というのは演技と関連があると思うので、撮影中は「自分はこんなに実力があるんだ(演奏ができるんだ)」ということを見せるのではなく、感情をしっかりと伝えなければ……と考えました。映像や音楽を通して、視聴者の皆さんに感情や気持ちを伝えることが大切だと改めて思いました。歌唱シーンでは、表情を作るときも真心を込めて演じるようにしました。 ヒョンスン:僕は、歌のシーンを撮影する前日はいつも眠れませんでした(笑)。このドラマに出てくる音楽や歌は、ただ聴き流すものではなくて、2人の気持ちを伝える方法だと思いました。なので、歌に合った感情や、歌に合わせた2人の関係を表現しようと気を配って演じました。 ーーこの作品は『愛の不時着』『梨泰院クラス』のプロデューサーが参加して日韓同時配信されるなど、非常に注目度が高い作品です。この作品で主演を務めることはお二人にとってどのような意味がありますか? ヒョンスン:この作品に出演したら、きっと新しいことができるだろうと感じました。楽器、歌、ダンスが学べると思いましたし、とにかく新しいことに挑戦できると期待していました。これまでに芸能人の役を演じたことはありましたが、アイドルの役は1回も演じたことがなかったので、これもまた新たな挑戦になると思いました。そしてドグクはとても正直な性格で、何でも正直に表現します。それは普段の僕が持っていないものなので、演じていて楽しかったです。 ヒャンギ:私はこの作品に出演すると決心して撮影に臨んだときに、作品が持っているメッセージや長所がたくさんあると思いました。いつも作品を選ぶときに「この作品にはどんなメッセージがあるのだろう」とか「この作品はどんな長所があるのだろう」と考えながら選びますが、台本を読んだとき、まさにメッセージや長所がたくさんあると感じたんです。さらに、私と同年代で年が近い人たちに共感してもらえる作品だろうと思ったんです。そんな人たちが抱えている心の痛み、乗り越えなければいけない困難などを演技でお見せすることができるのが嬉しかったです。私の周りにも実際に大学に通っている友達がたくさんいるのですが、そういう人たちに共感してもらえる作品になるだろうと思っています。 ーー最後に、作品の見どころを教えてください。 ヒョンスン:まず歌が挙げられます。そしてドグクが初めてプリ(ハンジュがSNSで素顔を隠して歌を投稿している人物)と出会うところも見どころといえますし、ドグクとハンジュがお互いギクシャクしたり、ちょっとぶつかったりするシーンもとても魅力的です。 ヒャンギ:私は普段日本のドラマもよく観ているのですが、台本を最初に読んだときに日本の皆さんの感性に合うのでは……と思いました。実際にドラマとして出来上がったらどんなふうになるんだろうと考えながら台本を読んでいたのですが、監督もうまく引き出してくれましたし、意味を持った作品が出来上がったと思っています。この作品は良いところが多くて、本当に楽しめる要素が詰まっているので多くの方に観てほしいです。日韓の合作のドラマに出演するのは初めてだったので、撮影中は意識していなかったのですが、日本の皆さんが観たときにどんなふうに思ってくれるんだろうと、今とっても気になっています(笑)。
咲田真菜