SVリーグ元年に意気込むサントリーの柏田樹

　今季から新たに始まるバレーボールの大同生命SVリーグ（以下SVリーグ）が10月11日に開幕し、サントリーサンバーズ大阪は東京体育館で大阪ブルテオンと対戦する。 　8日に大阪・箕面市で練習が行われ、日本代表の高橋藍（23）や小野寺太志（28）らが調整。開幕戦に向けて6対6のメニューが組まれる中、代表勢と同じチームに入ったのがミドルブロッカーの柏田樹（26）。小野寺と入れ替わりながらコートに入り、大宅真樹（29）や高橋藍、ドミトリー・ムセルスキー（35）らと連係を確認した。 　今季は始動から好調を維持。アジアツアーや広島サンダーズ、名古屋とのプレシーズンマッチで結果を残した。動きは際立っており、大黒柱のセッター大宅が「（アジアツアーで）柏田選手はものすごくキレがあった。チームのシステムにハマったように見えた」と語ったほど。本人も手応えをつかみながら、開幕を迎えようとしている。 　「アジアツアーで自分自身のプレーができて、勝てたことで自信を持てた。その自信を持って、広島や名古屋との試合でも自分のプレーを表現することができた」 　転機は今年1～2月。結果が出ず「すごい落ち込んでいた」という頃に、改めて自分自身を見つめ直した。「どうしたら変われるのか？」を考え、よりうまくなるために、細部にこだわった。練習時には、対面することの多かった小野寺のブロックをどうかわすかなどを常に意識。フィジカル面では下半身を徹底的に強化した。努力は実り、5月の黒鷲旗では優勝に貢献することができた。 　その流れを生かして臨む今シーズン。懸ける思いは強い。 　「新たなリーグが始まって、また一つ盛り上がると思う。しっかりとスタメンで活躍していって、チームに欠かせない選手になりたい」 　サントリーのミドルブロッカー陣では最も身長が低い1メートル92。それでも「自分の武器はキレや速さ。そこで勝負したい」と言葉に力を込める。SVリーグ元年を飛躍のシーズンにする。 　◇柏田　樹（かしわだ・たつき）1997年（平9）11月9日生まれ、宮崎県出身の26歳。12歳でバレーボールを始め、都城工から専大に進み、20年度にサントリー加入。1年目の20年にサフィルヴァ北海道、2年目の21年にはヴォレアス北海道に期限付き移籍。22年に復帰。1メートル92、80キロ。血液型はAB。