大人も子どもも泥まみれ、4年ぶり開催の「ガタリンピック」を楽しんだ
私たちは4人1チームでボールのたすきをつなぐ障害物競技に出場した。私(加藤)は第3走者、後輩が最終走者を担った。障害物ゾーンを乗り越え、約100メートル先のゴールに立てられた旗を目指す。スタート地点には全身タイツやコスプレ姿の参加者が並び、ゴーグルや耳栓をつけた気合の入った選手もいた。 スタートの合図とともに、各チームの第1走者の20人がガタに飛び込み、いきなり全身泥まみれ。手足は泥にとられ、ゾンビのよう。なかなか前に進めない中、第2走者が繰り上げスタート。短い板にうつぶせで乗り、両手で泥をかいて進む「人間ムツゴロウ」のレースが繰り広げられた。 「いけー、いいぞ、いいぞ」。声援や拍手、笑い声が飛び交う中、いよいよ私の出番。バトンを受け取り、水上走りさながら、泥で覆われ滑りやすくなった板の上を勢いよく走った。歓声と共に観客から投げつけられる泥が顔や体に当たり、笑いが止まらない。 最終走の後輩も苦戦し、発泡スチロールでつくられた障害物に飛び乗ろうとするも、泥の中に落下。干潟の深い部分はより粘度が増し、足がはまる。もがけばもがくほどバランスを崩し倒れそうになった。口の中にはさらさらした泥が入り、しょっぱいでは言い表せない風味が広がった。ゴールにたどり着いた時には旗は他のチームに奪われていたが、五感をフルに使って競技を楽しんだ。
自転車ごと泥にはまった子供たち。カメラを抱えたまま泥に落下したカメラマン、それを救出するスタッフ。出場する子供を見守る観客席の親。干潟に広がるたくさんの笑顔は、新型コロナウイルスが奪った日常の「リスタート」を体現していた。大好きな鹿島の魅力を、また一つ発見することができた。