サムスン、先端半導体技術のロードマップ公表-AI受託生産獲得狙う
(ブルームバーグ): 韓国のサムスン電子は自社の生産受託事業に人工知能(AI)チップメーカーを呼び込むことを目指し、今後登場する多くの先端技術を公表した。
サムスンは半導体メモリーで世界最大手だが、顧客の設計に基づいて半導体を製造するファウンドリー(受託生産)市場でライバルの台湾積体電路製造(TSMC)に追いつくことを目指している。サムスンはカリフォルニア州サンノゼにある米半導体本部で12日に開催した年次ファウンドリーフォーラムで、チップ製造のロードマップを示し、AI時代におけるビジョンの概要を説明した。
テクノロジー調査会社トレンドフォースによると、ファウンドリー市場でTSMCのシェアが1-3月(第1四半期)に61.7%と、前四半期の61.2%から上昇したのに対し、サムスンは11.3%から11%に低下した。
サムスンが導入した先端プロセスは、電源線をシリコンウエハーの裏面に配置する半導体技術「裏面電源供給ネットワーク(BSPDN」)」を利用する。同社によると、この技術では同社の第一世代2ナノメートルのプロセスと比較して、電圧降下が大幅に抑えられ、電源供給効率や性能が向上する。
同社は12日、AI関連の顧客リストは2028年までに現在の5倍に拡大し、売上高は9倍に膨らむと予測した。同社は数種類の新しい生産技術と将来的に投入するAI関連チップの設計を発表。これが顧客獲得に役立つと表明した。
サムスン幹部は米半導体メーカー、エヌビディアへの最先端メモリーチップ供給に向けた取り組みの状況や、最新チップがエヌビディアのテストにまだ合格していないとする報道についてコメントを控えた。
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原題:Samsung Unveils Chip Technology Road Map to Win AI Business(抜粋)
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Ian King, Yoolim Lee