ブルーベリー農家に転身した元競輪選手の大久保聡さんと左は妻の志乃さん＝南大隅町根占横別府のブルーベリー農園みなみおおすみ

　元競輪選手で鹿児島県南大隅町の大久保聡さん（４３）が、地元に観光農園「ブルーベリー農園みなみおおすみ」をオープンした。全国の猛者としのぎを削った勝負の世界から農家に転身。“第二の人生”は、「応援してくれた地域への恩返し」と妻の志乃さん（４２）と二人三脚で走り続ける。 【写真】〈関連〉元競輪選手の大久保聡さんが栽培するブルーベリー＝南大隅町根占横別府のブルーベリー農園みなみおおすみ

　南大隅高校の自転車競技部で本格的に競技を始め、全国大会で活躍。２００１年、競輪選手としてデビューし、最上位のＳ級に昇級し、２２年の引退まで１２２勝を挙げた。 　新型コロナ下だった３年前、プロ生活も２０年の節目を迎え、「今後の２０年は新たなことにチャレンジしたい」と決意。父親が農業をしていたことや現役時代から食に関心が高かったこともあり、農家の道を選んだ。栄養豊富で疲労回復に良いとされるブルーベリーの苗木２００鉢を購入し、栽培を始めた。 　農園は高校時代から脚力を鍛えた県根占自転車競技場近くに６月に開設。約１３００平方メートルの敷地で、甘いレガシー、実の大きなタイタンなど約４０品種を栽培する。今季は、家族連れなどにブルーベリー狩りを楽しんでもらったり、知り合いに配ったりした。 　妻の志乃さんは、ジャムや菓子などの加工品を作り、販売している。大久保さんは「来年は品種を増やし、食べ放題のコースを用意するなど進化させていきたい」と語る。

　ブルーベリー狩り（小学生１０００円～）は今季はほぼ終了。見学や剪定（せんてい）体験を受け入れている。問い合わせ＝０７０（８９８６）８０１４。