「広告が売れない」視聴者離れが止まらない『with MUSIC』 局内からも「不満の声」が大噴出
日本テレビが「令和時代ならでの本格的な音楽番組を目指す」として立ち上げた肝いりの新番組『with MUSIC』。MCには、5年半にわたり『news zero』のメインキャスターを務めてきた有働由美子(55)と俳優の松下洸平(37)を迎え、新たな看板番組となるべくスタートしたが、その船出はあまりにも厳しいものとなった。 【画像】ド派手な高級コートをまとい…有働由美子「アナウンサーとは思えない出勤衣装」 『世界一受けたい授業』の後継番組として、毎週土曜日のゴールデンタイムに放送されている同番組。4月13日の初回放送には、歌手生活25周年を迎えた宇多田ヒカルが登場。他にも椎名林檎やYOASOBIなど幅広い世代に向けたアーティストをキャスティングするも、平均世帯視聴率は5.3%にとどまった。 「『世界の果てまでイッテQ!』や『月曜から夜ふかし』などを立ち上げた敏腕プロデューサーを監修にすえ、スタッフ陣も万全の体制でしたが、その後も世帯平均視聴率は4%台で推移しています。中でもバツが悪いのが、日テレが掲げる『コア視聴率重視』の中で全く結果を出せていないこと。13歳~49歳までの男女のコア層をターゲットとした『コア視聴率』について、局内では『個人・世帯視聴率はいいからコアを圧倒的に取れ!』と厳命が下っているにもかかわらず、初回のコア視聴率は2.1%。民放4位で、5位だったテレビ東京の『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』ともわずか0.1%しか差がなかった。その後も低空飛行が続いており、回復の兆しは見えません」(大手広告代理店関係者) そんな状況を受けて、すでにアーティスト側からも不満の声が上がっているという。放送開始から2ヵ月しか経過していないが、キャスティングを拒否するアーティストも何組か出ているといい、完全な悪循環に陥っている。 「もともとは『ミュージックステーション』(テレ朝系)に追いつけ追い越せで作られた番組ですが、結果は歴然としています。視聴率が上がらない原因として槍玉に挙げられてしまっているのがMCの二人。6月15日の放送では椎名林檎さんが出演しましたが、有働さんは、子供たちとのやりとりなどプライベートに踏み込む質問が多く、SNSでは『椎名林檎のミステリアスな雰囲気を壊さないでほしい』といった声が見られました。有働さんとしては、あまり知られていない椎名さんの一面にスポットライトを当てたかったのでしょうが、視聴者からすると『ちょっとズレている』といった感覚になるケースも多いようです」(テレビ誌ライター) そんな現状を受けて、ついに局内からも不満の声が上がり始めている。 苦戦が続く現状を受け、現場からは早くも諦めの声も上がっているという。さらに厳しい意見が出ているのが営業部署だ。 「『嵐』の相葉雅紀がMCを務める、前枠の『鳴呼!!みんなの動物園』のコア視聴率は安定しています。たとえば『with MUSIC』の初回放送日で見れば、『鳴呼!!みんなの動物園』のコア視聴率は3.3%。平均世帯視聴率は9%台でした。最も注目度が高い初回でさえ、前枠からコア視聴率を大きく落としている状況で、これは広告単価にもろに影響を与えます。 極端な話ですが、広告は枠に対しての単価が高ければ、CM本数が少なくて済みます。しかし、視聴率が振るわず単価が下がると、結果としてCM放送枠の中に収容しなければいけない本数が増えるわけです。これが増えすぎるとパンク状態になるのですが、今後、そうなる可能性がとても高い。コア層がどんどん離れている現状に、営業部署は頭を抱えていると聞きます」(前出・代理店関係者) 局の肝いりの新番組ということで、すぐに打ち切りという可能性は少ない。しかし、10月は大口スポンサーの契約見直し時期でもあるため、局内もにわかに騒がしくなっているようだ。 「いまだにキャスティング力には目を見張るものがあります。6月22日には人気K-POPグループの『NewJeans』が登場。他にもアメリカの有名野外フェスから帰国して間もない『Number_i』が出演したり、ミリオンヒットの大物歌手が毎回キャスティングされていたりと、毎回、錚々たるアーティストが名を連ねます。現場の不満に、上層部からは『長い目で見てほしい』とお達しが出ているそうで、そういった地力の高さが視聴者に浸透すれば、結果はついてくると考えているようです。とはいえ、そろそろ結果がほしい時期であるのも事実。この夏にどこまで巻き返せるのか。正念場はまだまだ続きます」(同前) 批判の声が大きいのは、局内からの期待が高いことの裏返しでもある。その声に応え、新たな“日テレの看板”に育っていってほしいが……。
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