記録的大雨の宮崎県、各地に爪痕…「不明者早く見つかって」「まさかここまでの被害になるとは」
21日の降り始めからの雨量が各地で400ミリを超え、記録的大雨となった宮崎県内は23日、新たに延岡市浦城町で住宅が土砂崩れに巻き込まれるなど、被害がさらに広がった。23日の日中は雨が上がり、被災地では浸水した自宅の片付けなどに追われる人の姿がみられた。 【写真】大雨で道路が冠水した延岡市伊達町
都農町で468ミリ
県内は22日、暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で雨が強まり、気象庁は同日午後3時7分、線状降水帯が発生したとして、県南部平野部に「顕著な大雨に関する情報」を発表した。雨は県北でも強まり、延岡市北浦町古江では同10時23分までの1時間に114ミリの雨量を観測。21日の降り始めからの総雨量は23日午前11時時点で都農町で468ミリ、日南市深瀬で415・5ミリに上った。
延岡市
県警延岡署によると、延岡市中心部から北東約10キロの山あいにある同市浦城町で土砂崩れが起きたのは、23日午前0時半頃だった。平屋住宅が巻き込まれ、この家に住む女性の行方がわからなくなった。近くの男性（67）は「雨が小降りになり、安心していたところだった。早く見つかってほしい」と心配そうに話した。
現場付近では水路から水があふれるなどし、浸水被害も発生。漁業の住人（74）方はインドネシアからの漁業労働者を受け入れるために増築中の建物が浸水した。「これだけひどいのは初めて」と話した。
延岡市中心部に近い同市伊達町では22日夜の大雨で土砂などが住宅地に流れ込んだ。トレーニングジム経営者方前の道路にも土砂や石が流れ込み、玄関が浸水。23日、撤去作業に当たった経営者は「まさかここまでの被害になるとは」と語った。
近くの50歳代女性によると、22日夕方から数時間で一気に水位が上がり、午後9時過ぎには女性宅玄関付近まで迫ったという。
日南市・串間市
日南市松永では22日午後、車が福谷川に流された。市によると、車は23日、転落現場から約2・5キロ下流で見つかったが、乗っていた男性は中におらず、消防などが捜索を続けた。車が流される直前まで現場付近にいたという男性は「道路は、膝くらいの高さまで冠水していた」と語った。
