【高校野球ベストシーン’23・滋賀編】ルーズヴェルトゲーム8対7、壮絶な打撃戦となった近江と滋賀学園の夏決勝
2024年が幕を開け、センバツの足音も聞こえはじめてきた。昨年、高校球界でもさまざまな印象的な出来事があったが、都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。 【一覧】決勝・近江vs滋賀学園のスタメン 【選手権滋賀大会決勝・近江vs.滋賀学園】 野球のスコア「8対7」をルーズヴェルトゲームと呼び、一番面白いゲームと言われている。それが、昨年夏の滋賀大会決勝で披露された。 滋賀学園が1回に犠飛で1点を先制するも、2回に近江が同点に追いつく。3回に1点を勝ち越した近江は、6回に集中打を見せる。中村 駿介内野手(2年)の左翼越えの3点適時二塁打などで5点を追加。7対1と大きくリードを奪った。 近江は大会中止となった2020年を除いて、2018年から滋賀の夏を4連覇していた。この夏も6回が終わって6点差と、近江が5連覇に向かって突き進んでいくものと思われたが、滋賀学園が意地を見せる。 直後の7回に一気に4得点。7回に1点を追加されたが、8回には2点を追加して8対7と、ついに1点差まで詰め寄った。勝てば甲子園出場が決まる大一番。簡単に負けるわけにはいかない、滋賀学園ナインの気持ちが込められた追い上げだった。 近江と滋賀学園。これまでも数々の好ゲームを演じてきた。23年春季大会決勝で対戦し、近江が4対3で勝利。8回に1点差をひっくり返した逆転ゲームだった。21年秋の準決勝は滋賀学園が6対5で勝利。延長12回タイブレークの末に滋賀学園がサヨナラ勝ちした。20年秋季大会でも決勝で対戦し、滋賀学園が5対4で勝利。9回土壇場で近江に追いつかれたが、その裏に1点を奪ってサヨナラ勝ちしていた。ここ3回の対戦ではすべて1点差の好ゲームだった。 両者の意地がぶつかりあった昨年夏の決勝だった。滋賀学園は1点ビハインドの9回、無死二塁の絶好のチャンスをつかむ。しかし、後続が続かず1点に泣いた。8対7。壮絶な打撃戦の結末は、わずかな差で夏5連覇を達成した近江ナインの歓喜で締めくくられた。