背景に「金権主義」vs「勤勉倹約」の政争 NHK大河「べらぼう」の時代 松平定信の「寛政の改革」蔦屋重三郎にも司直の手が
さて私は昨年の晩夏の恐ろしいほど暑い日に、皇居を歩いた。北桔橋門(きたはねばしもん)をくぐり、北の丸公園を田安門まで歩いた。なかなかの距離だったが、ここが松平定信が生まれ育った田安家の屋敷跡である。
この後、私はかつて田沼意次の屋敷跡だったといわれる東京消防庁や経団連会館にも足を延ばしたが、意次・定信の「政争」は、「こんなご近所で行われていたのか」というのが、最大の感想。
■松平定知(まつだいら・さだとも) 1944年、東京都生まれ。早稲田大学を卒業後、69年にNHK入局。看板キャスターとして、朝と夜の「7時のテレビニュース」「その時歴史が動いた」などを担当。理事待遇アナウンサー。2007年に退職。現在、京都芸術大学教授などを務める。著書に『幕末維新を「本当に」動かした10人』(小学館101新書)、『一城一話55の物語』(講談社ビーシー)など多数。現在、アマゾンのオーディオブック「Audible(オーディブル)」で、北方謙三著「水滸伝シリーズ」(集英社刊)などの朗読作品を配信中。