国会議員の海外視察 成果はどうチェックすればいい?
個人や公式派遣団でない場合
議員の海外視察は内容や効果が分かりにくく「税金の無駄遣い」との批判があります。特に、個人の場合や少人数で公式な派遣団ではない場合は、報告義務がなく、その視察が単なる物見遊山なのか、海外の要人とのパイプの強化や政策の調査といったものになるか、“ブラックボックス”になりがちです。さらには返還義務のない予算が月100万円あるなら、海外視察をしない分を他の経費に回せるという見方もできます。ただ、プライベートで動き、海外の要人と秘密のパイプを作ろうという場合ももちろんあるはずです。 外交交渉は要人とのパイプ作りや派遣先の特性や国益を見ながら、是々非々で自国に叶う成果を出すもので時間がかかります。しかし、視察は交渉だけではありません。A国の制度や実情を見学し、ヒアリングするというものであれば、その議員が見たA国の姿として報告はできるはずです。そしてそれらの知見が積み重なることで、A国の多角的な情報が集まるといえるでしょう。それは政治家や官僚だけが持つ情報ではなく、広く国民も共有できる情報だといえます。 国会議員に限らず、政治家の視察報告は、情報を集約・整理し、誰もがアクセスできるものとして公開することも考える必要があるかもしれません。