卵が価格高騰の可能性も!? “鳥インフルエンザ再来”に警戒、養鶏場「徹底的な感染対策で鶏を守る」
養鶏場は“鳥インフルエンザ”の脅威から鶏たちを守れるか。鳥インフルエンザ再来の可能性から、年末年始に卵の不足や価格高騰が懸念されている。今年の春、食卓を直撃した“エッグショック”。養鶏場では、街の人々に安全に卵を買ってもらうため、徹底した感染対策が行われていた。
Mサイズ1㎏あたり380円⁉ “エッグショック”再来の可能性
今年の春、全国的な鳥インフルエンザの発生により、卵の価格が高騰。その現象は“エッグショック”と呼ばれ、飲食店や家計を直撃した。そんなエッグショックが、鳥インフルエンザ再来によって、年末年始に起こる可能性が懸念されている。元東京農業大学教授・信岡誠治さんは、今後の卵価格について「(卵の価格が)昨シーズンの350円にプラス30円で、380円くらいになる可能性もある」と予想。その要因は、養鶏所で飼育されているニワトリの数。実はまだ、前回の鳥インフルエンザによる殺処分から、ニワトリの数が約6割ほどしか回復していないのだ。さらに、先月頃から鳥インフルエンザ流行の兆しとなる事例が全国各地で発生。ニワトリの数が十分に回復していない今、再び鳥インフルエンザが流行すると、前回のエッグショックを上回る価格高騰が起こる可能性が高いのだ。
JA全農たまごが発表している、名古屋市のMサイズ1㎏あたりの卵の相場価格の推移を見てみると、2023年4月5月には最高値360円を記録。再びエッグショックが発生した場合、この最高値が上回る“価格“の基準となる。 卵の価格高騰は家計はもちろん、年末年始に書き入れ時をむかえる飲食店にとっては大きな痛手だ。卵をたっぷり使用したオムライスが名物の「いち寅」店主・田畑治郎さんは、「鳥インフルエンザの影響で(卵が)なくなるとなると、かなり厳しい状況になってくるのではないかと思います」と心配の表情を浮かべた。
渡り鳥に警戒!ため池に飛来防止の凧を設置
渡り鳥の飛来シーズンを迎えたことを機に、全国各地で再び猛威をふるい始めた「鳥インフルエンザ」。先月25日に佐賀県内の養鶏場で、今シーズン初めてとなる鳥インフルエンザを確認。約38,000羽のニワトリが殺処分された。続けて、埼玉県、茨城県で発見されたのち、今月2日には鹿児島県で4例目を発見。さらに今月1日、岐阜県では、先月23日に岐阜県海津市の飼育施設で野生のカルガモを捕食した後、衰弱死した狩猟用のタカ一羽から鳥インフルエンザが検出。致死率が高く殺処分が必要な「高病原性鳥インフルエンザ」ということが判明した。