三井住友銀、インド「金融特区支店」が7月にも営業開始-担当幹部
(ブルームバーグ): 三井住友フィナンシャルグループ傘下の三井住友銀行は、インドの経済特区「グジャラート国際金融テックシティー(GIFTシティー)」内に新設する支店の営業を7月にも始める。インドが国際金融センター構想を掲げる中、拠点の開設により事業拡大を目指す。
三井住友銀のシンガポール拠点でアジア・大洋州本部の共同本部長を務めるラジーブ・カナン氏は、従業員10人規模で業務を開始し、徐々に増員していく方針を示した。外貨建て融資から始め、最終的には貿易金融やグローバルマーケッツ業務にまで拡大する可能性があるという。
GIFTシティーはシンガポールやドバイなどの国際金融センターに対抗するため、インドのモディ首相が提唱し、同国西部のグジャラート州に設置された。三井住友銀は世界で最も多くの人口を抱える同国で、特区内に拠点を持つJPモルガン・チェースやドイツ銀行、HSBCホールディングスと競合していくことになる。
GIFTシティーでは、内外の金融機関を誘致するため税制優遇や規制緩和など、さまざまな施策を講じている。三井住友銀は3月に支店開設の認可を取得。その際の声明では、外貨建て融資業務に注力するとしていた。
カナン氏は1997年に三井住友銀のシンガポール拠点で採用され、2022年に現職に就いた。シンガポール国籍でインド育ちの同氏は「以前はモーリシャスなどに拠点を置いていた投資ファンドなどの多くも、今ではGIFTシティーを候補地として検討している」と語った。
三井住友FGは21年にインドのノンバンクであるフラートン・インディア・クレジット・カンパニーを約2200億円で買収。24年にはSMFGインディア・クレジット・カンパニーを完全子会社化した。個人や中小企業向けローン市場などの開拓を進めている。
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Taiga Uranaka, Chanyaporn Chanjaroen