大谷翔平の「準備」勝負の10月と目先の1勝「ラインアップに慣れる」ベッツら離脱で結束の必要性
<ロッキーズ7-6ドジャース>◇19日(日本時間20日)◇クアーズフィールド 【デンバー(米コロラド州)19日(日本時間20日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、4試合連続マルチ安打をマークしたが、惜敗の一因となった。ロッキーズ戦に「1番DH」で出場し、5打数2安打3打点。同点の8回2死一、二塁では見逃し三振に倒れ、好機を逸した。チームは山本由伸投手(25)やムーキー・ベッツ内野手(31)ら主力選手が続々と故障離脱。プレーオフ進出へ、大谷が今後へ向けてのメンタリティーを語った。 【写真】 大谷翔平の「新ルーティン」 ◇ ◇ ◇ 先を見据えながらも、目の前の戦いに集中する。リーダー大谷の姿勢だ。ベッツ、山本ら主力選手の故障離脱が続いている状況。大谷は1番を任され、打線をけん引している。端々の言葉に力を込め、結束力の必要性を示した。 「特にけが人がちょっと多くなる時期ではあると思うので。不幸中の幸いで、ムーキー(ベッツ)も必ず戻ってくる。由伸(山本)も必ずシーズン中に戻ってくると思うので。まずはそこまでみんなでカバーできればいいかなと思います」 ベッツに代わり、トップバッターで体現する。本塁打を狙える場面、単打のヒットでチャンスを広げたい状況、出塁が求められる展開。試合の流れを読み、打撃スタイルを変える。「打線のメンバーが代われば、流れも変わると思うので。ここまでもそうでしたけど、ドジャースという球団のラインアップにまず、しっかり慣れる。そこが一番、特にこのポストシーズンに向けて、短期決戦に向けて大事」。勝負は10月の戦い。早い段階で意識することで、準備を進めている。 先を見る。状況を読む。その一方で、目前の1勝にも目を向ける。週末からは古巣エンゼルス戦。「そこはもちろん楽しみ。それはそれとして、まず明日しっかりとシリーズ勝ち越せるように。そこだけまた集中したい」と意気込んだ。好調な状態を維持するにも、反省と修正の連続。バットを置いて打席での立ち位置を確認する新ルーティンを取り入れ、「同じように構えて同じ位置で立つのが一番大事。球場によって(バッターボックスの)ラインの太さが違ったりするので。そこで多少ズレたりっていうことがないように」と、明確な意図を明かした。 この日は2回2死満塁から3点適時二塁打を放ったが、8回2死一、二塁では見逃し三振。好機を逸し、「まず振りにいって、ファウルでもなんでもいいので、バットに当てることが最優先だった」と、悔しさをにじませた。4試合連続マルチ安打と打点を稼ぎ、再び打撃3冠を狙える位置にまで上がってきた。「まず一番は、けがしないことが大前提」。試合に出続け、勝って、10月への準備を進める。大谷は目先と今後の両方を見据えている。 <ドジャースの負傷者> 《投手 山本=右肩腱板(けんばん)の損傷 ビューラー=右股関節の炎症 シーハン=右肘の内側側副靱帯(じんたい)の修復手術 ゴンソリン=右肘の内側側副靱帯の再建手術 カーショー=左肩手術 ケリー=右肩後部の張り ブレージャー=右ふくらはぎの張り グローブ=広背筋の張り グラテロル=右肩の違和感 メイ=右腕の屈筋腱と靭帯手術 ブログドン=右足底筋膜炎 ハート=右肩の炎症 《野手 ベッツ=左手の骨折 マンシー=右脇腹痛