有名MVにも登場。沖縄の人気ハンバーガーチェーン「巨大看板リニューアル」まさかの大反響の顛末
売り上げ1.5倍。看板をリニューアルして大反響
今回の取材場所である「A&W牧港店」は、A&W沖縄の中でも随一の人気を誇る店舗で、日中帯は観光客が多く訪れ、夜遅い時間帯は地元客で賑わっているという。 もともとは地元密着の店舗だったが、2018~2019年頃からレトロな看板をバックに写真を撮る観光客が増えていた。そして、心機一転を図るためにA&W牧港店のシンボルだった看板を塗り替えたところ、「急激にInstagramの投稿数が増え始めた」と砂川さんは説明する。 「新しい看板に刷新してから、特に最近はランチタイムを中心にものすごくお客さまが並ぶことが多くなりました。以前はお店の外まで行列ができることはあまりなかったのですが、店内を一周し、さらにドライブインの駐車場まで列をなすくらいの混雑ぶりは、今まで見たことのない光景で、非常に驚いています。 冗談抜きに『お客さまにどう並んでもらうか』という議題が会議に出るほど、看板効果は相当インパクトがあったと感じていますね。来店客数の増加に加えて、売り上げも約1.5倍以上に伸びています」
アーティストのMV撮影などで口コミ効果も
まさに看板の映え効果が奏功しているわけだが、直近でも某国民的テレビドラマ主題歌のMVで有名アーティストがロケ地として使用し、話題になった。 「過去にも有名アーティストのMV撮影や写真集の撮影でA&W牧港店をロケ地に選んでいただいたこともあるのですが、我々からは撮影で使われたことは発信していないんです。それでも、ファンの方が気づいて、広めてくれることで、A&Wのことを知らない人にも認知してもらえるきっかけ作りになっていると感じています。いわゆる聖地巡礼で沢山のお客様がご来店いただいています」(砂川さん)
沖縄県内の企業と連携を強めていきたい
2023年に創業60周年を迎えたA&W沖縄。今後の出店計画はまだ具体的に決まっているわけではなく、「慌てずに一つひとつ丁寧に考えていく」と崎濱さんは話す。 「A&Wの店舗ごとにお客様から愛される個性が出てきているので、無理に店舗拡大していくよりも、確実に今の店舗を成長させていくことを重視しています。今年の4月よりキッチンカーの運用も開始したので店舗でカバーできていないエリアに関してはキッチンカーを出張させ、普段A&Wに中々行くことの出来ないお客様にも商品を楽しんでもらいたいと考えています」 また、今後は沖縄県内のアパレル企業、プロスポーツチームなどとの連携も強化していく予定だと崎濱さんは続ける。 「2020年にA&Wのオリオンビールとコラボしたチューハイ『WATTA エンダーオレンジ』が、初のコラボ商品の開発でした。以来、オリオンビールとは毎年コラボさせていただいていますが、創業60周年を機にさまざまな沖縄県内の企業とコラボ施策を実施したので、これからも継続的に共創できるように意識していければと考えています」 A&Wの定番である「The A&Wバーガー」や「ルートビア」や「オレンジジュース」といった商品以外にも、店舗でしか販売していないキャップやTシャツなどのグッズも、芸能人がSNSに投稿したのをきっかけに注目されるようになったそうだ。 那覇空港や国際通りのお土産屋には置いておらず、A&Wグッズを求めて店舗にわざわざ足を運ぶ人もいるほどで、A&Wの根強い人気ぶりがうかがえる。沖縄にしか存在しない希少性と、A&Wならではのおもてなしが、今もなお愛される所以なのではないだろうか。 <取材・文・撮影/古田島大介> 【古田島大介】 1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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