NHKドラマで「山下智久の中学生時代」を演じた19歳俳優が話題。顔が似てるだけじゃない“再現力”
これは、大型新人の登場か。映画でもドラマでも、然るべき新人がデビューを飾る瞬間は、鮮やかな物々しさがある。 毎週火曜日よる10時から放送されている『正直不動産2』(NHK総合)第5話で、山下智久扮する主人公の中学生時代を演じたのが、話題の新人俳優・高野陽向だ。 イケメン俳優の探求をライフワークとする“イケメンサーチャー”こと、コラムニストの加賀谷健が、SNS世代のこの大型新人に期待を寄せながら、堂々たる初舞台の演技を読み解く。
千葉雄大や高橋文哉以来にビビッと
だてにイケメンサーチを続けていないだけはあるのかもしれない。所属事務所の大小に関わらず、ある若手俳優をひと目見たとき、(博打みたいに明確ではないけれど)売れるか売れないかはだいたい見当がつくようになる。 それがデビューまもない相手ならなおさらのこと。原石ではあっても、モノになるかはもちろんまた別の話。筆者の場合、ときに映像作品のキャスティングに関わることもあるので、慎重に見極める必要もある。 然るべき才能は不意にやってくるものでもある。それが今回久しぶりにきた。ときめきとワクワクのセンサーが、強烈にビビッと。たぶん千葉雄大や高橋文哉以来に反応したんじゃないかと思う。
演じる上での方向性はふたつ
その人の名は、高野陽向。ぽかぽか暖かい響き。なるほど、ドラマデビューの瞬間も画面内の温度は自然とぽかぽかに感じられる。高野が演じたのが、『正直不動産2』の主人公・永瀬財地(山下智久)の中学生時代。 所属事務所の宣材写真を見てまず驚く。少年時代の山下の面影を包み込む柔らかな印象。それだけに山Pの子役的に振る舞わなければならない回想場面のハードルは高い。本格的な演技も初挑戦だったというから、これはある程度の戦略が必要。それで中学生時代を演じる上での方向性はふたつ考えられる。 ひとつは、過去作を参照しながら少年時代の山下を彷彿させるビジュアルに寄せる方法。もうひとつは、あまり神経質にビジュアライズすることなく、発声や声のトーンで表現すること。彼はどちらを選んで演じたか。