【追悼】火野正平さん 37年の親交・中野英雄氏が明かす素顔「日本酒好き」「カラオケ十八番は玉置浩二さんの『メロディー』」
11月14日、俳優の火野正平(本名・二瓶康一)さんが亡くなった。享年75歳だった。 【激レア写真】火野正平さんとのカラオケ姿 所属事務所はホームページで「4月より持病である腰痛の治療に励んでおりましたが 夏の腰部骨折を機に体調を崩し、最期まで仕事復帰を願っておりましたが叶いませんでした。自宅で家族に見守られ 穏やかな最期でした」と報告している。 多くのテレビドラマ、映画に出演し、独特な存在感を放っていた火野さん。プライベートでは多くの女性と浮名を流し、火野さん自身も「最大11股」と語るなどして昭和の芸能界を賑わせた。 その火野さんと37年にわたり親交があった俳優の中野英雄さんに、思い出と「素顔の火野正平」を語ってもらった。 「11月3日に火野さんから電話をいただきました。腰痛がひどいということを聞いていたので、何度かお見舞いの電話を差し上げていたんです。そのときの留守番電話を聞いて、かけ直してくださったそうです。 声にちょっと元気がなかったですけど、75歳ですから『そのせいかな』と思いました。その10日後にまさか……です。 火野さんとのお付き合いのきっかけは、1987年に日本テレビで放映された刑事ドラマ『ジャングル』の出演です。僕はゲスト出演で火野さんとの共演はありませんでしたが、僕も所属していた『劇男一世風靡』のメンバーだった山口粧太がレギュラー出演していたことから、彼が火野さんと僕を引き合わせてくれました」 すでに活躍していた火野さんだったが、分け隔てなく接してくれたという。 「その後、京都の東映撮影所でお仕事をご一緒させていただく機会があり、親交が深まりました。 主役クラスの役者さんはホテル滞在ですけど僕たちは民宿。火野さんはすでに活躍されていましたが、同じ民宿にお泊まりでした。 夕飯が一緒になることも多く、『飲みに行くか』となってスナックなどに連れて行ってくださって。 とても楽しい時間でした。店の女の子をからかったり、大好きな日本酒を飲んで、ほろ酔いになるとカラオケで玉置浩二さんの『メロディー』を歌う。 酒の席で『演技論をぶる』なんてことはありませんでした。だけど一度、『お前さ、あのシーンを撮ったとき、一瞬、素に戻っただろ』と言われたときは酔いが覚めて背筋が伸びました。 そうしたお付き合いの中で、『どうしたら火野さんみたいな役者になれるのか。知りたい』という気持ちが強くなり、それから僕の『火野観察』が始まったんです(笑)」 数々の浮名を流した火野さんだったが、素顔はどうだったのだろうか。 「プレイボーイと言われますが、その通りです(笑)。だけどキザではなく優しくチャーミング。そして声と笑顔が素敵。『だから女性は火野さんに夢中になるんだろうな』と感じることがたくさんありましたが、男性だって会えば必ず火野さんに惚れます。 火野さんに近づきたいという希望はありましたが、今のところ実現はしていません。『唯一無二の人』だと思っていますから、この先もずっと近づくことはできないのかなとも思います。人を愛し、人に愛された方です。僕たち後輩にも優しい愛をくださり、ありがとうございました」 心よりご冥福をお祈り申し上げます。