農事組合法人石束・不動寺原、県漁協埴生支店女性部が藤田市長に受賞報告【山陽小野田】
昨年度の全国麦作共励会で日本農業新聞会長賞を受賞した農事組合法人石束・不動寺原(緒方始組合長)と、第29回全国青年・女性漁業者交流大会で水産庁長官賞を受賞した県漁協埴生支店女性部(久中幸子部長)の関係者が18日、山陽小野田市市役所を訪れ、藤田剛二市長に受賞を報告した。 同法人では、7人が7㌶でパン作りに適した小麦「せときらら」を栽培。パンが膨らみやすいタンパク質含有量になるように工夫を重ね、高品質の小麦を生産している。 3年前から衛星データを試験的に活用し、開花期の追肥に役立てている。それまでは1平方㍍当たりの茎数から追肥量を計算していたが、衛星データ解析により割り出されたデータに基づき、生産性の向上につなげた。 緒方組合長は「もともと研究しながら栽培していたのに加え、衛星データを活用することで追肥に加えて消毒のタイミングなどにも役立っている」と話した。 同女性部は1960年代初めまで埴生で行われていた「建干し網漁」を2019年から支店全体で協力して復活させ、子どもたちへの収穫体験や魚のさばき方指導が評価され、多面的機能・環境保全部門で受賞した。 建干し網漁は埴生干拓から前場川河口までの約300㍍区間に満潮時に網を張り、干潮になって行き場を失った魚を一網打尽にする漁。毎年、秋に市内の小学生が参加して浅瀬に集まったチヌ、スズキ、ヒラメなどをつかみ取り、その魚をさばいて食べる貴重な体験をサポートしている。 久中部長は「取るだけでなく食育指導にも心掛け、子どもたちに魚好きになってもらっている」と報告した。 藤田市長は「1次産業は市の主要産業。そこから特産品も生まれてくる。イベントなどを通して地域をもり立ててもらっていることにも感謝する」とねぎらった。