【NBA Rakuten解説者インタビュー】塚本清彦さん「雄太の方がチーム内での役割が明確。100%の力を出しやすい」
「NBA Rakuten」の解説でもお馴染みの塚本清彦さんにインタビュー。注目チームや注目選手について語ってもらった。※インタビューは11月2日(木)のロサンゼルス・クリッパーズ対ロサンゼルス・レイカーズ戦の解説後に実施。
セルティックスはポルジンギスがキーマン
――塚本さんが今季注目しているイーストのチームはどこですか? 塚本:デイミアン・リラード(前ポートランド・トレイルブレイザーズ)が移籍してきたミルウォーキー・バックスはもちろんチェックしなきゃなのですが、注目しているのはボストン・セルティックスですね。ミルウォーキー・バックスにいたドリュー・ホリデーが複数回のトレードで加入して、きっと彼も燃えていると思います。 セルティックスはスモールボールを展開しているんですが、2010年代中盤のゴールデンステイト・ウォリアーズのようになれば面白い。そのためにはクリスタプス・ポルジンギスがキーマンになります。ジョー・マズーラHC(ヘッドコーチ)がポルジンギスを活用し、チームに多様性をもたらすことができるか見ものですね。 ――冒頭で仰ったように、バックスにはリラードが加わりました。 塚本:リラードが叩き出すモンスタースタッツは魅力的です。ホリデーほどの身体の強さや守備力はないかもしれませんが、クラッチタイムでの信頼度は抜群。あとはヤニス・アデトクンボと共存することが大切なので、ポストシーズンまでにケミストリーを構築しておきたいですね。 そのほかでは横須賀生まれのキャム・トーマスが好調なブルックリン・ネッツにも注目しています。ミケル・ブリッジズなど役者も揃っているので、セルティックス、バックス、フィラデルフィア・76ersに次ぐイーストの2番手グループの筆頭になるのではないでしょうか。
コート上にヘッドコーチがいるようなもの
――ウェストのチームはいかがでしょうか? 塚本:ゴールデンステイト・ウォリアーズですね。クリス・ポールが加入したということは、コート上にヘッドコーチがいるようなもんですよ(笑)。元々ウォリアーズのバスケットボールはボールと人の連動性が素晴らしくて、コーチである自分にとってもすごく勉強になるチーム。選手のカットに合わせてボールが回るのですが、やってみるととても難しいシステムです。スクリーンの角度なんかも細かく決まってるはず。そんなところに加入したばかりにもかかわらず早速アシストを量産しているというのは、ポールのバスケットボールIQが高い証拠です。きっとウォリアーズのプレイブックに書かれているシステムがすべて頭の中に入っているんでしょうね。コート上にヘッドコーチのようなポールがいれば、スティーブ・カーHCも無駄にタイムアウトを取る必要がなくなるということも大きなメリットになるでしょう。 フェニックス・サンズに在籍していた頃は、ディアンドレ・エイトン(現ブレイザーズ)を成長させました。ウォリアーズではジョナサン・クミンガの成長をサポートしてくれると思います。 王者ナゲッツにとっては初めて追われる立場となって挑むシーズン。開幕から完成度の高いバスケットボールを展開していますが、どのチームもナゲッツを倒そうと挑んでくる中で、そうしたプレッシャーであったり対策されるという状況に耐えられるか注目したいですね。